日本開催UFCで日本人は4勝3敗!
注目のカードは、UFC出場権をかけた廣田と夜叉坊の日本人対決。選ばれた8人のファイターがラスベガスで、今回メインを張ったバーネットとネルソンという2人のコーチを受けてトレーニングを積みながら、ジム内トーナメントを戦い、生き残った2人がこの試合で決勝戦を戦うというもの。そして勝った方がUFCと正式契約を結び、本場のリングに上がる権利を得る。まさにサバイバルマッチである。 米国ではUFCのリングへと向かうファイターのドキュメントをリアリティ番組「TUF」として取り上げているが、今回はその日本版の番組として、そのラスベガスのトレーニング風景とトーナメント、それぞれの選手のバックボーンまでを地上波で追いかけてきた。おそらく、この番組がプロモーションとなったのだろう。会場のテンションも熱くなっていた。 廣田は、DEEP、戦極などで王者となっているベテランで、2009年大晦日のDynamite!! で青木真也にアームロックで右上腕を折られて敗北したが、その後、再起してUFCと契約。結果が出ずに解雇されたが、リベンジを誓い、ゼロから勝ちあがってきた。一方の夜叉坊は修斗出身で、キックのリングに上がるなど、立ち技中心のスタイルで「オンナにモテルためのUFC」という動機を隠さない異色のファイター。 1回は、夜叉坊がトリッキーな動きからパンチ、キックのスピードとリズム、手数で圧倒していたが、2回に入ると、廣田がじわじわとプレッシャーをかけて、ゲージを背負わせながらスタミナを削りとっていく。ズシリとした右ストレートがヒット。夜叉坊がぐらついた。ポイントは、ほぼ互角。勝負を分けることになる3回は、夜叉坊の左フックがカウンターとなって廣田がダウンしたが、なにせ動きながらのブローだからパンチが軽い。フィニッシュにもっていくことができずに逆に廣田がパワーで押し返していく。残り10秒を知らせる拍子が鳴らされてからも両者は殴り合い。最終回の判定は微妙に感じたが、やはりジャッジは三者三様にわかれてドロー。 廣田は「負けと同じですね。それにつきます」とうなだれ、夜叉坊は「勝ったと思ってやっていたので、ドローという結果については仕方がないけど、何とも言えないですね。やりながらも勝っていると思っていました」と納得のいかない顔。それでも試合後、両者共にUFCとの契約が結ばれることになり、合同会見に出席した夜叉坊は、持ち前のビッグマウスを炸裂させ、日米の記者に向かって「もてる試合ができていましたか?」と逆に質問をしていた。