再雇用後も年収500万円の62歳元モーレツ会社員、70歳から月25万円もらう気マンマンだったが…年金大幅ダウンも〈年金繰下げ〉を断念した妻からのひと言【社労士の助言】
「仕事、年金、健康。老後は一体どうすれば?」と苦悩する豊さん
豊さんはとても家族想いです。家族の将来を心配するあまり、自分の健康や生活について考える時間を持たずにいました。そんな中、仕事中にケガをして入院する事態となりショックを隠し切れません。また、最近体調を崩した友人の話も気になります。 友人は65歳で年金を受け取ることを選び、安定した収入を得ることで心の余裕を持っているとのことでした。豊さんは友人の姿を見て、「自分も同じ道を選ぶべきか?」と心が揺れます。 家族と話し合う中で妻からは、「今までさんざん無理して働いてきたでしょ。私だって年金を月に5万円くらいはもらえるんだし、無理をしてまで働かなくても、健康を考えたら65歳から受け取ったほうが安心じゃない? 私はあなたとゆっくり過ごしたい」と言われ、さらに迷いが深まります。 豊さん自身の健康や妻との時間を考えれば65歳から受け取る選択が無難に思えますが、70歳まで待てば受け取る年金が大幅に増えることが決断を鈍らせます。 しかし、もし繰下げ受給を選んで経済的な安心感が増したとしても、70歳まで働き続けることで体にさらなる負担がかかることに一抹の不安がよぎります。
繰下げ受給にデメリットがあるなんて!
豊さんは思い悩んだ末、会社に紹介してもらった社労士に相談することにしました。社労士は豊さんの状況を聞き、高齢者の労災や、繰下げ受給のメリットとデメリットを詳しく説明しました。 仕事中の事故で死亡や4日以上休むケガをした60歳以上のシニアは、昨年3万9702人と過去最多。労災による死傷者に占める60歳以上の割合も増えていて、昨年は29.3%とこちらも過去最高とのこと。 60歳以上の労働者の労災を種類別にみると「転倒」が最も多く40%。一般的に年齢を重ねると身体機能が低下して転倒しやすくなるとの説明を受け、自らの経験からも納得しました。 次に、社労士は繰下げ受給のメリットとデメリットを説明しました。年金を繰下げれば増額されますが、70歳まで無理して働き、体を壊して寿命が早まれば65歳から受給すれば良かったとなりかねません。 また、年金収入が多くなれば所得税や住民税、介護保険料なども増えることから、手取り金額は期待ほど増えない可能性があります。 豊さんは繰下げ受給にデメリットがあることを知り、驚きを隠せません。 【メリット】 1か月あたり0.7%増額された年金を受け取れる増額された年金が一生続く【デメリット】 長生きできなければ、65歳から受給した場合の年金総額のほうが多くなる繰下げ受給により年金額が増えると、税金や社会保険料も増えてしまう一度繰下げ請求をすると取り消すことはできず、さらに増額を図ることはできない繰下げ待機期間中は加給年金も受給できないし、繰下げても加給年金は増額されない
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