先生に憧れる42歳の教育実習生...子育て後の人生を考えた時に『これからも子どもと接していたい』 小学校での1か月間の実習で感じた「教師という仕事の重み」
公立の小学校教員の残業時間は「平均月98時間」
教員の定時は午後5時ですが、7時ごろまで教室に残って丸付けをしたり、授業の準備をしたりします。名古屋大学の調査によりますと、公立の小学校教員の残業時間は平均月98時間。過労死ラインを超えています。 法律では公立学校の教員に残業代は出ず、「学校はブラック職場」と言われ、なり手は減っています。大阪市では採用試験の年齢制限を今年から59歳まで引き上げ、実質撤廃しました。
実習開始から1週間…『日を追うごとに子どもたちと仲良くなれる』
実習が始まって1週間。濱口さんが初めて教壇に立つことになりました。国語の授業に臨みますが…緊張で小さなミスを繰り返してしまいました。 子どもたちが帰った後の教室。川上先生が子ども役となって夜遅くまで模擬授業を続けます。 小学校では体育も担任の先生が教えます。ダンスについていけない子どもを見つけた濱口さん。すかさず声をかけます。 「せーの!一緒にやろう」 このクラスでは、居残った子どもたちに先生が勉強を教えます。個人差に対応するためです。 (濱口純子さん)「日を追うごとに子どもたちと仲良くなれる。声をかけてくれる回数も増えている気がします。最初はあまり話しかけてくれなかった子も、『先生』って声をかけてくれるようになっているのはすごくうれしいです」
実習も残り2日…授業の中で見えた「児童との関わり」
1か月の実習も残り2日になりました。校長やほかの教員の前で授業をします。教科は道徳です。 (濱口さん)「自分ではしてはいけないってわかっているけど、こんなことをしてしまいましたってこと、ありますか?」 子どもたちの手が一斉にあがりました。 (児童)「ソファでお皿を持ってご飯を食べました」 (濱口さん)「どんどん手があがりはじめています。すごいね!」 授業を見学した教員は… (2年生の担任)「子どもたちが一生懸命先生に話したい!という感じで手がピンとあがっているのが印象的でした。ひとりひとり大事にしてあげようという気持ちで先生が過ごしておられたんだなというのがすごくわかって、とてもすてきやなと」 (泉野泰久校長)「子どもと関わるというのをひとつのテーマにして来られたと。子どもらも意見が言いたい、恥ずかしいけど言える、というのは先生と子どもの関係性なんですよね」 (濱口純子さん)「普段手をあまりあげない子どもも頑張ってあげている姿を見たときはとってもうれしかったです。それが一番うれしかったです。子どもたちも頑張ってくれているんだなっていうことがすごく伝わったので、子どもたちのおかげで授業を最後まで進めることができたかなと思っています」