アスコット競馬場（2016年撮影）

＜英チャンピオンS＞◇19日＝アスコット（英国）◇G1◇芝1990メートル◇3歳上◇出走11頭 　大波乱の決着となった－。英インターナショナルS2着のカランダガン、愛チャンピオンS覇者エコノミクスという「2強」の激突に注目が集まった英チャンピオンSを制したのは、単勝41倍の伏兵アンマート（セン6、O・バローズ、父オータード）だった。鞍上はジム・クロウリーで勝ちタイムは2分8秒96（重）。 　レースはエイダン・オブライエン厩舎のハーツクライ産駒コンティニュアスが逃げる展開。コンティニュアスの背後で凱旋門賞3着の愛ダービー馬ロスアンゼルスが脚をため、固まった馬群のまま直線を向いた。外から脚を伸ばすエコノミクス、後方のインで脚をためるカランダガンなど、各馬が激しく接触するアクシデントがあり、ロスアンゼルスは後退。外のエコノミクスも残り100メートルで脚色が鈍った。内からカランダガンが一度は抜け出したが、ロスアンゼルスの後ろで行き場を失っていたアンマートが猛烈な末脚で強襲し、豪快な差し切りで、最後は半馬身差をつけた。3着にはロイヤルライム、4着にはフォワ賞から挑んだイレジンが入り、エコノミクスはまさかの6着。ロスアンゼルスは9着、コンティニュアスは10着に敗れている。 　アンマートはシャドウェルの所有馬。昨年5月にフランスのG1イスパーン賞でG1初制覇を果たしていたが、その後はケガで休養。約1年2カ月ぶりの復帰戦だった今年8月のG3ローズオブランカスターSを制したものの、凱旋門賞前日のドラール賞で5着に敗れ、評価を落としていた。 　クロウリー騎手は一昨年のこのレースでデビューから無傷の10連勝だったバーイードで挑み、4着に敗れた過去がある。レーシングポスト電子版は同騎手の談話を紹介。「正直に言って、バーイードが負けたことは一生忘れられないと思います。チャンピオンズデーは多くの優秀な馬たちが敗れます。どんな馬でも無敗の馬が敗れるのはつらいことですよ。思い出さないようにしていたけど、今日はここにきて、思い出しました。最終的にチャンピオンSを勝ててうれしいです」と心境を語っている。