有明海再生へ「10年で100億円」交付方針…国営諫早湾干拓「非開門」前提、漁業者の取り組み支援
国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、農林水産省が潮受け堤防排水門の非開門を前提に有明海再生を加速させるため、地元漁業者の取り組みを支援する交付金を新設することが分かった。政府は2025年度当初予算案に10億円を計上する方向で調整を進めており、10年間で総額100億円を交付する方針。 【写真】諫早湾干拓地の干拓地と潮受け堤防
農水省は、開門を命じた確定判決を「無効」とする23年3月の最高裁決定を受け、必要な支援を講じるとする農相談話を公表。有明海再生の事業実施に向け、沿岸の福岡、佐賀、長崎、熊本の4県や漁業団体と協議を重ねてきたが、今年8月に発表した概算要求では、事業費の金額を明示しない「事項要求」としていた。
沿岸の自治体からは、地元の費用負担が生じることを懸念する声が上がり、佐賀県は国による全額負担の確認を求める文書を農水省に送っていた。