「野球やるべ」津波に遭った岩手・大槌高校でただ1人の野球部員、同級生に支えられ最後の大会で全力プレー
チームは4回にも1点を追加したものの、相手と力の差は大きく、終わってみれば18対2の5回コールドで敗戦。試合後、適時打を放った打席について「抜けた瞬間は『よっしゃ』と思った。打ててほっとした。スタンドからの応援も大きく聞こえた」と満足げだった。 ▽3年間で学んだ「誰かの応援を信じて立ち向かう」 高野連によると、連合チームが夏の甲子園に出場したことはない。戦力的にはなかなか厳しいのが現実だ。それでも岩手大会では「大船渡東・住田」「大野・久慈工業」が初戦を突破する活躍を見せた。日本一を目指すチームや、県大会1勝を目指すチーム、球児たちはさまざまな思いを胸に野球に打ち込んでいる。 同じ東北勢として甲子園で準優勝した仙台育英より1カ月半早く、高校野球に区切りを付けた田口さん。3年間を振り返り「最後は楽しく終われたが、孤独で苦しい時間も多かった。どこかで誰かが応援してくれていると信じ、現状を受け止めながら困難に立ち向かっていくことが大切と学んだ」と笑顔を見せた。