もうひとつの花園へ 宮城・佐沼高3年の木川選手、ラグビー女子U18東西戦に東北で唯一選出
27日に大阪・花園ラグビー場で開かれる女子のU18(18歳以下)東西戦「U18花園女子15人制」に、宮城・佐沼高3年のセンター木川海(18)が出場する。東北からは唯一の選出。突破力とハードタックルを武器に今季、7人制の国際大会に出場し優勝に貢献するなど成長著しい。「花園に立てるのは光栄」と高校生活最後の大舞台に臨む。(登米支局・山並太郎) 【写真】遠征前に練習する木川選手=宮城県登米市迫町 [U18花園女子15人制]大阪府東大阪市で開催される第104回全国高校大会1回戦前の27日午前11時から実施。東西に分かれ、20分ハーフの1戦に全国から計46選手が選出された。 俊足を生かし、7人制大会で次々にトライを奪っている。4、5月に花園などであった大学生やクラブチームなど12チームによる「ウィメンズセブンズシリーズ」に出場。木川は推薦選手で構成するチームに加わり、出場15試合で12トライを決めた。 16チームが出場した「U18女子セブンズ」(11月、埼玉県熊谷市)には宮城県の選抜チームで臨み、4試合で大会最多の7トライを挙げた。 身長160センチの体を目いっぱい使った決定力に加え、「タックルが得意」と守備力も磨く。日本協会のユースアカデミーで学んだ「低く相手に当たる」「(タックル後に)足を止めない」を実践する。 今月8~16日、日本代表候補の可能性がある有望選手14人を集めた「U18女子SDSニュージーランド遠征」の一員に選ばれ、7人制で争った大会でキャプテンを務めた。決勝でオーストラリアを下し、2年ぶり2度目の優勝に貢献。全7試合に出場し、守備力を評価されて大会ベストセブンにも選出された。「プレーの視野が広がった」と自信を深めて帰国した。 幼い頃から「走るのが大好き」という。小学生では地元・宮城県登米市のラグビースクールで男の子に交じって楕円(だえん)球を追った。陸上部だった中学生時代は100メートルと200メートルの中学総体登米市大会を制した。 所属する佐沼高ラグビー部では、試合には出られないものの男子選手と練習を続け、フィジカル面も鍛えた。白鳥直人監督(54)は「フェイントやタックルでの間合いの感覚が鋭い。男子選手に『海みたいに動け』と指示するほど」と評価する。 将来の目標を日本代表に据える木川は「発展途上国を支援する仕事に就きたい」との夢も持つ。関東の難関国立大への進学を目差し、猛勉強中。ラグビーと受験のハードな日程を控えるが「自分が好きで選んだこと。全力で向かう」と話す。 ■仲間の思いを背負い 全国高校大会出場切符が懸かった10月20日の県予選決勝で仙台育英に敗れた際に号泣した。「みんなともう練習できないと思って泣いちゃった。一緒に花園に行きたかった」。あれから2カ月。仲間の思いも背負い、聖地に立つ。
河北新報