アルバルク東京は歴史を繋ぎながら、「TOYOTA ARENA TOKYO」からバスケの楽しさを発信する
~立川でのSR渋谷戦がドラマチックになった理由
2022-23年からは代々木第一を中心としながら代々木第二や立川でも試合が開催されている。その中で昨年11月3-4日のSR渋谷戦が立川で開催されたのが一部では話題となった。 「東京・渋谷区をホームタウンとしているチーム同士です。キャパの大きい代々木第一でやりたい気持ちはありましたが立川開催となりました。チケットも即完売だったので、観られなかった方々には申し訳ない気持ちでいっぱいでした」(手塚氏) SNS上などでは「(SR渋谷戦は)立川開催?残念」という声もあった。しかしA東京の歴史を踏まえると決してネガティブなことばかりではなかった。 「SR渋谷には昨年までA東京にいた田中大貴選手、(2017-18、19-20年)リーグ連覇時のヘッドコーチであるルカ・パヴィチェヴィッチHCや、当時所属していた小島元基選手がいます。彼らにとって当時のホーム凱旋という意味合いとなりました」(末次氏) 「A東京の黄金期は立川と共にありました。約3,000人の会場は確かに小さいですが、熱狂度は変わらず素晴らしい雰囲気になりました。偶然にもSR渋谷戦が立川開催となったのにも縁を感じました」(手塚氏) 選手、関係者そしてファンにとってかけがえのない一戦を作り上げたのは、A東京が積み重ねてきた歴史によるものと言える。
~立川のアリーナと代々木の体育館
現在は代々木第一、第二、立川を使用して最高のバスケ観戦環境の提供を目指す。「会場ごとに異なる特性や個性があり、使用時には工夫を凝らしている」と手塚氏は運営の立場から各会場を説明してくれた。 「アリーナ立川立飛はコンパクトでエンタメ施設として素晴らしい。さまざまな演出に対応できる使いやすい会場になっています。センターハングビジョンがあるだけで場内の雰囲気も異なります」 2017年10月開場の立川は約3,000人収容のコンパクトな会場で、A東京は代々木第二の改修等が重なった2017-18シーズンから使用している。 「代々木第二はバスケ観戦には最高ですがエンタメ施設としては厳しい部分もあります。例えば、スピーカーが上方席より下に位置するので音響等が不十分になります。しかし、すり鉢状でファンの声援がコート上に降り注ぎ、すごい熱気が生まれます」 代々木第二は1964年の東京五輪開催に合わせ、同第一と共に建設された。収容人員約3,000人で観戦に特化した「バスケの聖地」とも呼ばれる。 「代々木第一は普段はまっさらなアリーナで、試合日に観客席やビジョンを持ち込んで環境を作り込みます。スポーツ施設ですが、コンサートや他のイベントで使うことも考えていたのではないでしょうか。主催者による変化に対応できる環境で使いやすいです」 代々木第一は約1万人収容で、バスケ以外にも水泳やスケートなど様々な競技やコンサートなどのイベントにも柔軟に活用できる箱だ。