日本一のキャプテン!DeNA・牧秀悟、大役に試行錯誤…愛する家族に支えられ頂点に
(SMBC日本シリーズ2024、DeNA11-2ソフトバンク、第6戦、DeNA4勝2敗、3日、横浜)勝利の瞬間、感情を爆発させた。チームが前回、日本シリーズを制した1998年に産声を上げたDeNA・牧秀悟内野手(26)が、26年後に主将となってベイスターズを頂点に導いた。 【写真】26年ぶりの日本一を達成し、喜びを爆発させるDeNAナイン。スタンドのファンは一斉にスマートフォンのカメラを向けた 「最後に日本一になれたことが、何よりもうれしい気持ちでいっぱい。何が正解か分からない中で一年間やらせていただいた。こうして全員で勝てたのは、良いものを得られたんじゃないかな」 活躍を重ねるたび、ページが増えていった。自宅には十数冊のスクラップブックがある。中大の同級生だった夫人が、交際していた大学時代から牧が掲載された記事を切り抜き、丁寧に貼り付けてきたものだ。最初は写真もない、モノクロの記事。どんなに小さくても欠かさずチェックしていた。雨の日も、身重になっても、活躍した翌日はコンビニエンスストアへ行って新聞を買い集めてくれていた。 今季は新たにキャプテンマークをつけ、チームのリーダーとして試行錯誤する日々。持ち前の勝負強さが影を潜め、本来の打棒を発揮できない時期もあった。どんなに苦しいときも、2022年オフに結婚した夫人は前向きな言葉を掛けてくれる。遠征を含め、出産のギリギリの時期まで球場へ応援に駆けつけ、悔しいときは自分より先に涙を流してくれたこともあった。決して一人ではない。家族で戦ってきた。 今年は第1子が誕生した。「(子供が)家にいることが、何より力になる」。愛する〝新戦力〟は日本シリーズ応援のため、父譲り(?)の強心臓で立派に飛行機デビューを果たしたという。背番号2の特注ユニホームを着て観戦する小さな小さな応援団長。誕生時に「子供が大きくなるまで長く現役で活躍できるように」と誓った通り、まだまだ何度もこの景色を見せるつもりだ。 日本シリーズでは第5戦に初本塁打となる3ラン。2連敗後には選手間ミーティングを主導し、4連勝に導いた。愛する家族に支えられ、牧が日本一のキャプテンになった。この瞬間こそが、最大の恩返し。大切なスクラップブックにもまた一つ、新たなページが加わった。(浜浦日向)