遡上する秋サケを目の前で、北海道の「サケのふるさと千歳水族館」 道の駅で道産グルメも 味・旅・遊
北海道の空の玄関口・新千歳空港から車でわずか15分。旅の始まりや終わりで気軽に立ち寄れるスポットがある。サケが川の中を遡上(そじょう)する様子を観察できる「サケのふるさと千歳水族館」だ。隣接する道の駅「サーモンパーク千歳」では道産食材を使った北海道グルメも味わえる。 【写真】千歳水族館に隣接する道の駅サーモンパーク千歳 ■今年で開館30周年 サケのふるさと千歳水族館は今年で開館30周年。ピーク時の来館者数は年間29万人超という人気の観光施設だ。稚魚から幼魚、そして成魚へと成長を遂げるサケの様子を道内最大の淡水大水槽で紹介するサーモンゾーンをはじめ、地元の支笏(しこつ)湖に生息する生き物を展示する支笏湖ゾーン、体験ゾーンなど8つのテーマで楽しむことができる。 圧倒的な人気を誇る「水中観察ゾーン」は幅2メートル、高さ1メートル、厚さ8・5センチのアクリルガラスを使った窓が7つ並んでおり、それぞれ千歳川の水中に直接つながる窓からサケの様子を見ることができる。 9月から10月にかけては故郷の川に群れを成して帰ってくるサケの様子がドラマチック。取材をした9月上旬はまだ数が少なかったが、銀白色から徐々に黒色や黄色などが混じった婚姻色へ変色したサケの姿を見ることができた。 菊池基弘館長(57)によると、国が管理する1級河川と直接つながっている施設は千歳水族館が国内で唯一。遡上が本格化すると、昼間でも外光が入らないほどのサケでいっぱいになるといい、「見た人のほとんどが『すごい!』と感動している」と魅力をアピールする。 サケのピークは毎年異なるといい、「私たちもいつになるかは分からないが、自然の様子を楽しみながら、道内旅行の観光スポットの一つとして立ち寄ってほしい」と笑顔で呼び掛ける。 水族館の隣にはサケを捕獲する「インディアン水車」も設置されている。将来資源の確保に向けて人工孵化(ふか)放流事業の採卵用親魚を捕獲するのが目的だ。水揚げ風景は秋から初冬にかけた風物詩として知られ、シーズンを迎えると早朝から見学で多くの人が集まる。 ■旅の最後のお楽しみ