住宅ローンを抱えていても「生活保護費」は受給できますか?返済が難しい人への救済策
厚生労働省が2023年12月6日に公表した「生活保護の被保護者調査」によると、9月時点での生活保護者の数は200万人を超える結果となりました。 【生活保護の一覧表】生活保護者の数は200万人を超える(出所:厚生労働省) 家を購入したあとに病気などで働けなくなった人や、コロナの影響で収入が激減したことが原因で住宅ローンの返済が難しくなったため、生活保護費の受給を検討したいと考えている人もいることでしょう。 そこでこの記事では、住宅ローン残債があっても生活保護を受けたい人のために、以下の内容を解説します。 ・生活保護の概要 ・住宅ローン返済中は生活保護費の受給が難しい理由 ・住宅ローン返済中に生活保護費を受給する方法 住宅ローンの返済が難しくて生活保護を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
生活保護の受給資格は「最低限度の生活」が困難な人
国や地方自治体は、様々な理由の人を対象に「生活保護費」を支給しています。 健康で文化的な最低限度の生活を営むための制度で、受給対象の条件は以下の通りです。 ・収入が少ない ・病気やけがで働けない ・不動産などの資産を持っていない ・親族などから援助が受けられない また、収入があっても最低生活費を下回る場合は、差額を生活保護費として受給できます。 さらに病気やケガにより働けない場合や持家などの不動産がない場合、同居できる家族がいない人や仕送りをしてもらえない場合も受給対象となります。
【結論】住宅ローン返済中は生活保護費の受給が難しい
持ち家に住んでいる場合でも、生活保護の受給は可能です。 しかし、住宅ローン返済中の場合の受給は難しいと考えたほうがよいでしょう。 生活保護費を住宅ローンの返済に充てることは、生活保護制度の趣旨に反するからです。 住宅ローンの返済を生活保護費で賄ってしまうと、生活保護費を資産形成に利用することになります。 国民の最低限の生活を保証するという「生活保護制度」にそぐわないことから、資産がある人には基本的に生活保護費が受給されないことを知っておきましょう。 しかし自治体によっては、住宅ローンの返済残高や返済年数が少ない場合「生活保護費の支給対象」と判断されるケースがあります。 あとわずかで返済が完了することから、生活保護費を「返済に充てない」と判断されるためです。 さらに持ち家などの資産を売却したとしても、不動産の価値が著しく低くなる場合や売却することで住む家がなくなる人は「受給対象」となるケースがあるため、事前に役所へ確認してみましょう。