トヨタのラテガンが総合トップ浮上。“48時間クロノ”はアル・ラジが最速もタイム加算に【ダカールラリー2025】※追記アリ
1月6日、サウジアラビアを舞台に開催されているダカールラリー2025のステージ2が行われ、トヨタ・ガズー・レーシングのヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO)が総合トップに立った。 【写真】ビバークポイントでマシンとクルーがキャンプをして夜を明かす様子 そして、“48時間クロノ”として1月5~6日にまたがって実施されたステージ2については、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)がステージウインを果たし、総合でも2番手に浮上した。 さらにラテガンと約2分差のステージ3番手となったザ・ダチア・サンドライダーズのナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)は、総合でも3番手となりワン・ツーのトヨタ勢に続いている。 大会2日目から3日目にかけて行われた“48時間クロノ”は、1日目の後にクルーらが近くのビバークポイントでキャンプをしながら自らの手でマシンを整備し、夜明けとともに出発してステージ2完走を目指すという過酷な区間だ。 1日目には、優勝候補のフォードMスポーツのカルロス・サインツ(フォード・ラプター)やザ・ダチア・サンドライダーズのセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)らがストップする波乱の展開を迎えたステージ2。1日目のフィニッシュタイム時には、トヨタのアル・ラジとダチアのアル-アティヤが白熱の首位争いを展開した。 こうして1日目を終えた競技者たちは、AからEまでの5つの休憩ゾーンに分かれてキャンプをし、到着時にテント、寝袋、エアマットレス、6リットルの水、お湯などの提供を受ける。夜明けには、ダカールラリー運営チームのトラックがスタートの30分前、20分前、10分前に3回ホーンを鳴らし、競技者たちはスタートゾーンで準備をして1分ごとに再出発した。 2日目序盤も、ステージトップを争うアル・ラジとアル-アティヤは、30秒弱の差をキープしながら100kmほどを走行したが、ステージ739km地点においてアル・ラジがペースアップし、2分2秒差までリードを広げた。 さらに、プロローグでトップタイムを刻んでいたトヨタのラテガンがもうペースで追い上げており、ステージ3番手/暫定総合首位に立つ。 こうしてアル・ラジ、アル-アティヤ、ラテガンの三つ巴となったタイムバトルは、最終的にアル・ラジが全967kmを首位通過してステージウインを飾った。続いて4分16秒差でラテガン、6分29秒差でアル-アティヤというトップ3となり、暫定総合順位ではラテガン、アル・ラジ、アル-アティヤの順へ変動した。 そして総合4番手には、ステージ3番手を争いつつも739km地点で数分間停止していたフォードMスポーツのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)がつけた。また、前日にマシントラブルで約30分をロスしていたセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)は、48時間クロノの2日目に遅れを15分ほどに戻して総合5番手に浮上している。 ラテガンをトップに据えるトヨタ・ガズー・レーシング勢は、6台のGRハイラックスを走らせるなかでルーカス・モラエスが総合7番手、セス・キンテロが総合13番手につけている。一方、僚友のジニエル・ド・ヴィリエール、ガイ・ボッテリル、サオード・ヴァリアワらはこのステージ2で各自1時間以上のストップに見舞われて大きく後退している状況だ。 また二輪部門については、レッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリー・ファクトリー)がプロローグから3本連続でステージ最速の座を勝ち取っており、総合で12分のリードを築いている。総合2番手には、ステージ2で2番手タイムを刻んだモンスターエナジー・ホンダHRCのスカイラー・ハウズ(ホンダCRF450ラリー)が浮上し、総合3番手はヒーロー・モータースポーツ・チームラリーのロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー)がキープしている。 明日はステージ3『ビシャ~アル・ヘナキヤ』全847km(ステージ495km/リエゾン352km)が行われる予定だ。 ※追記 四輪部門のT1アルティメットクラスは、暫定首位通過となっていたアル・ラジに対して、スピード違反によるタイムペナルティとして2分が加算された。さらに、オーバードライブ・レーシングのロカス・バチュースカに生じていた給油時のタイムロスがトラブルによるものであると認められ、チェッカー後にタイムが調整された結果、2分43秒のリードを獲得して自身初のステージウインを飾った。一方、前日に横転クラッシュを喫していたサインツは、ステージ2終了時に今大会からのリタイアを選択している。 [オートスポーツweb 2025年01月06日]