生理前の凄まじいイライラに苦しむ女性に、同僚男性がかけた言葉が尊い|映画『夜明けのすべて』
同じ悩みや苦しみではなくても、あなたはひとりじゃない
もうひとつ、この『夜明けのすべて』の物語が誠実なのは、(PMSとパニック障害に限らず)個々人の悩みや苦しみは「同じ」ではないし、「簡単にわかった気になってはならない」のだと、劇中のセリフからも提示していることだ。 そのことを前提として、2人は恋人や友達とも違う距離感で、お互いのことを慮り、助け合おうとする。それぞれのアプローチは、きっと現実での職場の人間関係や、人生のいろいろな局面できっとフィードバックできると思う。 その2人の近くにいる、職場の人たちとの距離感もまた、理想的に思えた。特に、光石研と渋川清彦が演じる、2人をそれぞれ見守る優しい上司の姿からも、学べることはあるはずだ。 落ち込んだり、仕事で疲れた時などに、この『夜明けのすべて』を観てみてほしい。 たとえ、他の人と完全に一致するわけがない悩みや苦しみを抱えていたとしても、助け合える誰かがいることで「ひとりじゃない」と思えるかもしれないし、身近な人にも「ひとりじゃない」と教えられるかもしれないのだから。 <文/ヒナタカ> 【ヒナタカ】 「女子SPA!」のほか「日刊サイゾー」「cinemas PLUS」「ねとらぼ」などで映画紹介記事を執筆中の映画ライター。Twitter:@HinatakaJeF
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