東風万智子、改名までの空白の3年間を独占告白「アルバイトをしながら」
そんな一般人と化した彼女を再び女優業へと向かわせたのは、友人からの朗読劇出演の誘いだった。リフレッシュ期間で溜めたパワーを放出し、改めて演じることの魅力を発見することになる。「そこから今の事務所に出会うことができたり、いいご縁といいタイミングが重なった。演じる楽しさを改めて感じて、一からやってみようと思った」と、復帰に至る道筋を明かす。そして、菅原道真が京の都を離れる際に詠んだ和歌からインスパイアされた“東風万智子”という名前で、再び歩き出すことになる。 数々のテレビドラマへのゲスト出演を経て、東風万智子としては初の主演ドラマが3月31日からスタートする。「撮影も1ヶ月半を経過して、ペースがつかめてきたところ。早朝から深夜まで連日撮影をしているようなものなので、まるでスタジオに住んでいるかのような感覚があります」と昼ドラならではのハードスケジュールに苦笑いを浮かべつつも「スタッフとキャスト全員が団結していて、まるで戦友。ドラマ上の設定も手伝って、キャストの皆さんとは本当の家族のよう。素晴らしい現場でありがたい」と声は弾むばかり。 初めての昼ドラの現場ということもあり、クランクイン当初は「わからないことや慣れないことばかり。演じるキャラクターの感情が自分から離れてしまうのが怖くて、最初はスタジオにこもりきりだった」そうだが、今では「気分転換はコンビニです。新商品のお菓子を見るのが楽しいし、イチゴのお菓子が売っていると『あ、もう春か』とそこで季節を感じたりしています」と目を輝かせる。「そんな小さなことが、今はとても幸せ」という東風の表情は、どの“時代”よりも晴れやかで美しい。 (取材・文/石井隼人) 東風万智子(こち・まちこ) 1979年10月30日生まれ。大阪府出身。映画、ドラマなどで活躍。2000年には「ニュースステーション」(テレビ朝日)のスポーツキャスターを担当。2006年から休養し、語学留学などを経て、2009年に芸能界復帰。3月31日ひる1時30分からスタートする昼ドラ「聖母・聖美物語」()に初主演する。