「特別警報待たずに避難を」 沖縄、発表基準に達しなくても被害甚大 線状降水帯の発生、予測難しく
沖縄本島北部で発生した豪雨は、北部以北で発生した線状降水帯の影響で、短時間に大量の雨が降り、家屋の浸水や川の氾濫などの被害をもたらした。 東村の福地ダムでは、8日午後9時点までの1時間降水量は0ミリだったが、午後10時ごろから急に降り出し、9日午前0時時点の1時間降水量は一気に101ミリに達した。国頭村の与那覇岳でも午前1時に79ミリを観測した。 その後いったん雨は小康状態となったが、再び10日の朝も記録的短時間大雨情報が6回発表されるほどの大雨となった。 今回の気象の状況は、沖縄周辺にできた気圧の谷に流れ込んできた南寄りの風と、日本海側にある高気圧周辺から吹いてきた東寄りの風が合流して、大気の状態が非常に不安定となった。その結果、雨雲が次々と連なり線状降水帯が発生した。線状降水帯は事前の予測が難しいという。 【随時更新】支援情報まとめ 沖縄北部豪雨
今回、同時期に24時間に600ミリを超える大雨が降った鹿児島県与論町では、大雨特別警報が発表された。沖縄では8日に大雨警報(土砂災害)が発表されたが、特別警報の発表には至っていない。 気象台によると、同特別警報は地域ごとに発表の基準が違っており、過去に起きた災害の状況をもとに市町村と基準を決めているという。今回、沖縄はその基準には達していなかった。 沖縄気象台の担当者は「大雨警報でも重大な災害が起こる可能性がある。土砂災害警戒情報が出た時点で、避難指示に相当する。線状降水帯の発生や特別警報を待たずに早めの避難行動を取ってほしい」と話した。
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd