「埋めるのが目的」にならない野球ノートの書き方は? 慶早兄弟の思考深めた“体裁”
2人の思いが詰まったオリジナルノート「考える野球人になろう」
野球ノートで毎日思考を整理し、目標へと向かっていった結果、高校では兄弟ともに春夏2度の甲子園に出場。大学卒業後、裕司さんは大手酒類メーカー、健介さんは大手広告代理店に就職した後も、ノートにその日の思いを記し続け、ビジネスに役立てている。 今年2月には兄弟で「YK BROTHERS」というブランドを立ち上げ、グラブの製造、販売を手がける。初年度の目標販売数もあっという間に達成でき、順調に進んでいるという。また一方で、考える野球人を応援するためのオリジナルノートの開発も手がける。2人の思いが詰まったシンプルな横罫のA5サイズで、野球ノート以外にも様々な用途で使用が可能。表紙部分には「考える野球人になってほしい」との思いから、ブランドのコンセプトである「BE A THINKER.」の文字が浮かぶ。 「書きながら自分の頭の中を整理したり、大事なことをメモするのがノートの役割だと思っています。社会人になってからもノートを書く習慣は続いており、加えて、文字でずっと書いていたら、だんだん自分の思考がわかってきたので、これも小さい頃から書いていたお陰なんだろうなと思っています」(裕司さん) 2人は、これまで記してきた野球ノートを今でも大切に保管して、事あるごとに見返すという。デジタル化が進む現代で、自筆による世界に一冊だけの野球ノートは、きっと明るい未来を照らす道標になる。
内田勝治 / Katsuharu Uchida