民家の庭から古代のゾウ「マストドン」の化石 ニューヨーク
(CNN) 米ニューヨーク州の民家の庭から、古代のゾウ「マストドン」のあごの化石が完全な形で見つかった。ニューヨーク州立博物館が発表した。 現場はニューヨーク市から北へ約100キロ離れたオレンジ郡の民家。 家を所有する住人から「庭仕事中に植物の葉の陰で奇妙な2本の歯を見つけた」と連絡があり、博物館とニューヨーク州立大学のチームが発掘した。あごとともに足の指の骨と、肋骨(ろっこつ)の破片も見つかった。 博物館によると、州内でマストドンの化石が見つかったのは11年ぶり。同州でこれまでに発見された150点あまりのうち、3分の1がオレンジ郡に集中しているという。 マストドンは375万~1万1000年前に北米に生息していた。現生ゾウの遠い祖先にあたり、成長すると体高2.5~3メートル、体重6トンほどになったとされる。 えさの取り合いと気候変動、原始人類による過剰な狩猟が原因で絶滅したと考えられている。 博物館の研究、収集責任者は「あごの化石からマストドンが生息していた環境を調べ、氷河期の生態系について理解を深めることができる」と述べた。 博物館はこの化石を詳しく調べて年代測定や食性の復元を試み、来年中に公開する予定だという。