【函館スプリントS】浜中の〝函館巧者〟ぶりが光ったサトノレーヴV 秋のスプリント頂上決戦に照準!
[GⅢ函館スプリントステークス=2024年6月9日(日曜)3歳上、函館競馬場・芝1200メートル] 9日に函館競馬場で行われたGⅢ函館スプリントS(3歳上、芝1200メートル)は、2番人気のサトノレーヴ(牡5・堀)が好位から抜け出して重賞初Vを決めた。勝ち時計1分08秒4(良)。2着ウイングレイテストに1馬身1/4差をつける完勝劇で、スプリント路線の主役候補に名乗りを上げた。 最後の直線の追い比べ。競り合う各馬を尻目に、インコースの馬群から他馬とは違う切れ味で抜け出してきたのがサトノレーヴだった。 「少しでもスペースができれば反応できる手応えでした。枠の並びから今日のような競馬を想定していましたし、その通りの力強い走りでしたね」とは手綱を取った浜中。互角のスタートから先行争いを避けるように一列だけポジションを下げると、すかさず5番手の内ラチ沿いを確保。直線では前に進路ができるや、すかさず突っ込んで勝負を決めた。 これで浜中は22年函館記念→23年の函館2歳Sに続き、3年連続となる函館重賞制覇。戦前のレースプランや、隙のないコース取りなど〝函館巧者〟らしい鞍上の手腕も光った。 一方のサトノレーヴは5歳夏にして重賞初制覇。しかしキャリアは今回が8戦目と浅く、1200メートルに限れば目下5連勝中と全く底を見せていない。浜中が「競馬センスの非常にいい馬。乗っていて安心できますし、これが一番の武器です。秋にはもっと大きなところに挑戦していけると思います」と素材の良さに太鼓判を押せば、オーナーの里見治氏は「強かったですね。でも堀(宣行)先生によれば『まだトモが完全じゃない』というんですよ。そういう意味ではまだ伸びシロもありそうなので楽しみです。秋にはGⅠ(スプリンターズS=9月29日、中山芝外1200メートル)を狙っていきたいですね」とスプリントGⅠへの挑戦を目標に掲げた。 ここ数年、主役不在の混迷ムードが続くスプリント戦線。〝遅咲きの新星〟が主役候補に名乗りを上げた。
藤井 真俊