川の中にテーブル並べた「喫茶」でグランプリ 茨城から移住、滋賀で「いい川」作りに取り組む42歳
滋賀県長浜市の中心市街地を流れる米川の保全などを通じたまちづくりに取り組む「米川よろず会議」のメンバーとして活動する、竹村光雄さん(42)=同市。同会議は、9月に石川県白山市であった「いい川・いい川づくりワークショップ」に初参加して活動内容を発表し、参加29団体でグランプリに輝いた。「多様なメンバーが奮闘している姿勢が評価された」と振り返る。 会議は、自身が常務を務める長浜まちづくり株式会社や、市街地の住民らでつくる長浜地区地域づくり連合会、長浜バイオと滋賀県立の両大学、NPO法人近江淡水生物研究所などで組織する。月1回、メンバーが集まって議論し、活動内容を考える。 その一つが8月に行った「米川喫茶」だ。川の中にテーブルや椅子を並べ、参加者は水に足を漬けながら飲み物を楽しんだ。「『こんなきれいな水に足を漬けるのは何年ぶりだろう』と言って観光客が参加してくれた。すごい反響だった」と喜ぶ。他に子どもたちを対象にした生き物観察会なども行う。 これらのまちづくり活動と同時に、会議は「米川があふれない流域のまちづくり」を最大の目標に掲げる。米川は、周辺が舗装されているため集中的な降雨で雨水が流れ込んでしばしば急激に水位上昇する。同会議では、この現象を緩和するため、雨水を地面に浸透させる「雨庭」を普及させられないか研究を進める。 自身は茨城県日立市出身で、東京の都市計画コンサル会社員として通ううちに長浜にほれ込み、2012年に移住した。「米川に限らず長浜曳山(ひきやま)まつりなど町衆の文化を探究し、地方が個性を持って輝く未来をつくりたい」と力を込める。