高松・下笠居中学でパラリンピアン・加藤正さん講演 車いすバスケ体験も
日本財団パラスポーツサポートセンターが主催するパラスポーツ体験型出前授業「あすチャレ!スクール」が12月5日、高松市立下笠居中学校で行われた。(高松経済新聞) 【写真】授業を行った加藤正さん スポーツを通じ共生社会への気付きや学びの機会を提供する「あすチャレ!(明日へのチャレンジ)」プログラムの一つとして、2016(平成28)年4月に始まった「あすチャレ!スクール」。昨年までに全国の小中高で2131回行い、25万人以上の児童生徒が受講している。 今回講師を務めた加藤正さんは1988(昭和63)年のソウルパラリンピック以来、夏冬のパラリンピックに競泳やアイススレッジスピードレース、アイススレッジホッケー(現パラアイスホッケー)など5回出場。1998(平成10)年の長野パラリンピックではアイススレッジスピードレースでメダルも獲得した。車いすバスケットボール選手としても活躍し、全国障害者スポーツ大会では出身地の長野県代表として7回出場した。 授業には同校の1年生~3年生の生徒約90人が参加。車いすバスケットボールの体験や講話など1時間半にわたる授業を受けた。講話では「人を傷つけない自分を表現する武器を持とう」をテーマに話を展開し、中学で吹奏楽部に入る予定が水泳部の部長のマネジャーとしての勧誘から入部しスポーツの世界に入ったことや、障害者との接し方などについて中学生たちに語った。 「失敗を恐れず挑戦してほしい」と繰り返し語りかけた加藤さん。「挑戦と失敗は隣り合わせ。挑戦して失敗した姿は恥ずべきものでなく、かっこいいもの。やりたいことや好きなものを見つけて武器にし、人や言葉などのきっかけを大事に、挑戦して堂々と失敗してほしい」と呼びかける。 「パラスポーツは障害の有無問わず参加できるスポーツなので今回の授業をきっかけに興味を持ってもらえれば。世の中の人は『障害者か、これから障害者になる人か』の2つで、障害者は決して特別な人ではない。自分の障害に興味を持って話しかけてくれる人とは友達になれると考えている。将来子どもができて障害者を見かけて聞かれたら、そのことを叱るのでなく当事者に話を聞くよう背中を押してほしい」とも。 車いすバスケット体験にも参加した2年生の奥池愛莉さんは「自分はバスケットボール部に所属してプレーしているが、車いすを使うことでこんなにスポーツの難易度が上がるのかと驚いた。障害者の方には『自分たちとは違う人』と見るのでなく、『自分に関われること、できることはないか』という視点を持って接したい」と話していた。
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