塚田万理奈監督最新作 映画『満月、世界』⼦どもカメラマンによるメイキング動画公開
初⻑編映画『空(カラ)の味』で第10回⽥辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ・⼥優賞・市⺠賞・映検審査員賞と史上初の4冠に輝いた塚田万理奈監督の最新作『満月、世界』。この度、本作のメイキング映像が公開された。 本作は、2020年から塚田監督が出⾝地・⻑野市で地元の⼦ども達と制作を続けている、16mmフィルムで10年をかけて撮影するプロジェクト、『刻』プロジェクトの撮影の中から生まれたオムニバス映画。 いつも通り過ぎていく日常の中で、小説を書いたり音楽に没頭しながら、自分の居場所を探す中学生の物語『満月』。吃⾳のある中学⽣と、夢をあきらめつつあるミュージシャンの日々が交差していく『世界』。すでに『世界』がロッテルダム国際映画祭2023で⼊選を果たすなど、数多くの国際映画祭で上映され絶賛されている。 この度公開されたメイキング映像は、出演者である「⼦ども」カメラマンが撮影し、和気あいあいとした空気の中、堂々と演じる子供たちの姿が生き生きと映し出される。 ▼塚田万理奈 監督 コメント(本作制作意図について) ワークショップでは、子ども達に、自分自身を撮る「セルフドキュメンタリー」を作ってもらいました。まずそこで『満月』の主演の満月が作った作品を観て、この子を撮りたい、と思いました。子ども達には、「今まで」より圧倒的な「これから」がある。全てが未知、不安で、彼らなりに絶望も持っている。けれど可能性しかない。彼らは美しく、希望です。満月はその象徴のように見えました。ただただ彼女の光を撮ったのが『満月』です。 『世界』主演の秋ちゃんとは、『刻』を撮影しながら一緒に生きてきました。そんな秋ちゃんがある日私に「作文を読んでほしい」と連絡をくれました。作文は、彼女の悔しさや叫びが聞こえる作文でした。その作文がきっかけで、彼女を撮る事にしました。私はその作文を、素晴らしい作文だと言いました。でも彼女は、その作文が嫌いだと言いました。「自分のこととかじゃなくて、もっと世界とか、かっこいいことを考えていたかった」と言いました。考えさせられました。『満月』の時より、『刻』を撮り始めて彼らと生きてきた私は、彼らの存在を「光だ」と強く言える自信を持っていました。なので、私自身のその視点を説得力として本編に入れたのが「『世界』です。秋ちゃんに「あなたは光だ」と言いたかった。そして「秋ちゃんが信じる世界が、世界にあってくれ、世界よ。」と思いました。 『満月』『世界』どちらも共通して言える事は「光」です。彼らの「光」を残さねば、と思っています。世界は彼らの「光」を残す世界でなければダメだ。見てくれ、残してくれ。世界に対して私がそう言いたくて作っているところがあります。 映画『満月、世界』は、2024年8月16日(金)より長野ロキシーにて先行上映。2024年9月21日(土)より全国順次公開。
otocoto編集部