北朝鮮がロシアへ兵士を派遣…西側諸国にできることは?(海外)
北朝鮮がロシアと一緒に戦うことによって、ウクライナ戦争は深刻さが増すことになる。 NATOと西側諸国は対応を迫られているが、歴史的にはこのような状況では紛争に巻き込まれることを恐れて介入を躊躇してきた。 専門家は、脅威に対抗するための戦略が欠如していることに関して、西側諸国を批判している。 西側諸国はロシアに駐留する北朝鮮軍の脅威に対応する手段があるが、エスカレーションへの恐れから身動きが取れなくなっていると、軍事専門家がBusiness Insiderに語っている。 2024年10月28日、アメリカ国防総省は1万人の北朝鮮兵士が訓練のためにロシアに派遣され、「今後数週間のうち」にロシア軍に加わる可能性が高いと発表した。 北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ(Mark Rutte)事務総長は、部隊の一部がすでにロシア西部のクルスクに駐留していると述べ、この動きを「重大なエスカレーション」と表現した。また、これは国連安全保障理事会決議への「さらなる」違反だとも指摘した。 彼は次に取るべき行動について、「積極的に協議している」と述べた。しかし、具体的には何も決まっていないことに対して、同盟国から批判の声が上がっている。 アメリカのニュースメディア、ポリティコによると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は、北朝鮮の脅威に対する同盟国の反応が「本来ならもっと大きくていいはずなのにそうでもない」と不満を表明し、「ある程度の反応はあるものの、十分ではない」と述べた。
重大な分岐点?
ロシアのウクライナ侵攻に1万人の北朝鮮兵士が追加されたこと自体は、戦況を一変させるほどのものではないと、イギリス、バース大学の軍事アナリスト、パトリック・ベリー(Patrick Bury)は言う。兵士の多くは実戦経験がなく、できることには限りがあるだろう。 それでも、兵士の数はさらに増えるかもしれない。 北朝鮮はロシアとの協力体制を着実に強化しており、2023年にウクライナで使用された砲弾の半分を供給したと報じられている。 北朝鮮は世界第4位の常備軍を有し、兵士に不足はない。重要なのは、金正恩政権が見返りとして経済的・技術的な支援を受けていると考えられていることだ。 元NATO高官でフィンランド国際問題研究所の研究員であるエドワード・ハンター・クリスティ(Edward Hunter Christie)は、ロシアと北朝鮮の連携の危険性について、「現在多くの人が認識しているよりも、西側諸国に対する深刻な挑戦となっている」と述べ、「西側は行動を起こすことに躊躇している」と付け加えた。 これは少なくとも、軽率な決定は下されないことを意味している。 このためらいや恐れが、ウクライナにとっての西側最大のパートナーの間での全体的な戦略の欠如につながっていると、ハンターをはじめ、Business Insiderが取材した専門家たちが述べていた。