北朝鮮がロシアへ兵士を派遣…西側諸国にできることは?(海外)
西側諸国にはいくつかの選択肢がある──だがこれまで、それは無視されてきた
新アメリカ安全保障センターのリチャード・フォンテーヌ(Richard Fontaine)CEOは、アメリカと欧州がウクライナに対してできることに関して、「使える道具はずっと変わらずに存在している」とブルームバーグに語っている。例えば、ノルウェーが最近発表したようなその場しのぎの支援策が挙げられる。他にも、ウクライナが西側から供給されたミサイルでロシア国内への長距離攻撃を行えるようにするという選択肢もあるが、これは今まで認められてこなかったものだ。 アメリカ議会のヘルシンキ委員会(CSCE)の超党派グループはジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に対し、ポーランドがウクライナ領空でロシアのミサイルを迎撃することを認めるよう求めたと、The Hillが報じている。この動きは、「同盟国が紛争に巻き込まれる」リスクになるとして、NATOのイェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)前事務総長が認めていなかったことだ。 韓国も、ウクライナへの直接的な軍事支援を検討している。これは前例のないことで、大きな効果をもたらす可能性があるが、それを実行に移すことに関して、韓国は依然としてためらいを見せていると、専門家がBusiness Insiderに語っている。 また、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が2月に「NATO軍を支援役としてウクライナに配備する可能性を排除しない」という提案をしていたが、最近になってリトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス(Gabrielius Landsbergis)外相がそれを再び取り上げている。 「我々は依然として後手に回っており、エスカレーションを緩和させるべきなのに、反応してしまっている」とランズベルギスはXに投稿している。 「マクロンのアイデアは再検討されるべきだ」 このアイデアは提案された際にドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相が却下していた。 一方、ランド研究所の地政学ストラテジスト、アン・マリー・デイリー(Ann Marie Dailey)は、このアイデアを実施することにより「ウクライナは多くのリソースが得られるようになる」と述べ、「エスカレーションの過程において、ロシアが優位にあるわけではないという重要なシグナルを送ることにもなる」と付け加えた。
エスカレーションの罠
バイデン政権は、多くの西欧諸国と同様に、紛争をエスカレートさせると見なされる行動をほとんど避けてきた。 そのような方針が失敗だったことが、北朝鮮兵士の参加によって深刻なエスカレーションが起こりそうになっているという事実に表れているとハンターは言う。
Mia Jankowicz