米新規失業保険申請、小幅に増加-なおコロナ禍前の水準近辺
(ブルームバーグ): 先週の米新規失業保険申請件数は小幅に増加したものの、新型コロナウイルス禍前の平均水準近くにとどまった。
継続受給者数は2021年11月以来の高水準となった。先月のハリケーンやストライキの影響、および製造業の雇用削減を反映しているとみられる。
米南東部を襲ったハリケーン「ミルトン」と「ヘリーン」の影響で、失業保険統計には過去数週間に比較的大きな変動が生じた。また、米ボーイングの労働者による数週間にわたるストで、サプライヤーの休業を含め、一時的なレイオフが発生した。
ただし、ハリケーンの影響が弱まるにつれ、新規の申請件数は減ってきている。ボーイングの労働組合は5日、新たな労働協約案を巡り組合員投票を行い、賛成多数で受け入れた。同社サプライヤーへの影響も近く収まる見通しだ。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のイライザ・ウィンガー氏は、「新規失業保険申請件数は昨年と同様の水準で推移しているが、継続受給者数は労働市場が軟化しつつある状況を反映し、1年前よりも6万9000人多かった」と指摘した。
より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は22万7250件に減少した。
季節調整前ベースでも失業保険申請は増加。州別ではカリフォルニアやミシガン、オハイオでの増加が目立った。一方、フロリダやジョージアでは減少した。
ミシガンでは過去2週間に申請件数が大きく増えた。10月26日終了週の大幅増は製造業でのレイオフが要因だったと、労働省は発表文で説明した。一段の詳細は示していない。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Initial Jobless Claims Tick Up, Remaining at Pre-Covid Levels(抜粋)
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Jarrell Dillard