“霊視えすぎ芸人”シークエンスはやとも、怪談を特技にして「生き残れた」
びくびくした無名芸人が一生懸命やっている姿がウケた
はやともさんが受け入れたのは「霊が視える能力」。それを自覚して以降、意識して取り組んだのは「どんなふうに話したら、人は聞いてくれるんだろう」を研究することだったという。 「うちの両親は共働きで基本疲れていましたから、僕が話をするとき、興味があるときとないときではリアクションが全然違いました。当時から”親に興味を持ってもらえる話し方”と地続きで考えていて。相手が興味のある話ではなく、こちらが伝えたい話に興味を持たせるにはどうすればいいんだろう、と」 2020年3月、『ホンマでっか!?TV』に出演したときも、そうした研究の成果を発揮し躍進へと繋がった……わけではなかったという。 「いまの話を全部台無しにするんですが、『ホンマでっか』は真逆でした。もう芸人を辞める気だったし、心霊から逃げ続けていた時期だったので、どうやって心霊や霊視でアプローチするのかまったくわからなかったんです。だからめちゃくちゃ探り探り、情けないくらいびくびく喋ったんですよね。でも、だからこそ純粋に見えてウケたのかもしれません。数珠をぶら下げて堂々と"あなたには××が憑いています”と言うより、びくびくした無名芸人が一生懸命やっている姿が、世間にハマったんだと思います」 そんなはやともさんを、明石家さんまさんとブラックマヨネーズさんは徹底的にフォローし、マツコ・デラックスさんと島崎和歌子さんは笑顔で「大丈夫よ」「そんなに緊張しないでー」とほぐしてくれたという。怪談を得意とする芸人は数多いるが、”お笑いとして心霊にアプローチをする芸人”という、実はロールモデル皆無な芸風を前に、はやともさんは奮闘していたのだった。 シークエンスはやとも 1991年7月8日生まれ、東京都出身。吉本興業所属の“霊が視えすぎる”芸人。小学3年の時、凶悪事件の決定的瞬間を目撃したのを機に、幽霊と生き霊がキャッチできるようになる。 デビュー後、iPadで解説する「生き霊チェック」が評判を呼び、芸人仲間から超人気アイドルまで楽屋に行列するように。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)など多くのバラエティー番組で注目される一方、YouTubeでも人気を集め、『シークエンスはやともチャンネル~1人で見えるもん。~』は登録者数40万人を突破。「心霊に恐怖する時代は終わった」を合い言葉に、霊を知ることで見えてきた幸せな生き方をわかりやすく伝授している。10月17日に最新著書『憑いてる人は痩せません 生き霊「お祓い」ダイエット』を上梓した。 有山千春
有山千春