熊野古道始まりの地に 扇ケ浜にモニュメントを、和歌山県田辺の南紀みらい
まちづくり会社南紀みらい(和歌山県田辺市湊)は、田辺市の扇ケ浜に「SHIOGORI(シオゴリ)」をデザインしたモニュメントを設置しようとクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。かつて田辺の浜で心身を清め払った「潮ごり」は、熊野詣での始まりの儀式。モニュメント設置で扇ケ浜を「熊野古道の始まりの地」としてPRし、観光客の市街地周遊を促す。 【お気に入りの味は? 26日、和歌山県田辺市で「梅酒フェス」の記事はこちら】 田辺市では熊野古道を訪れる観光客が増加しているが、にぎわいは古道周辺に限定的。観光客は「玄関口」である中心市街地を訪れても「潮ごり」の歴史に触れることなく、通過しているのが現状という。 南紀みらいと田辺市熊野ツーリズムビューローは、「潮ごり」に光を当て、現代風に再現する「シオゴリプロジェクト」に取り組んでいる。これまで旅行商品の開発やイベント開催などを手がけてきた。 モニュメント設置は、熊野古道の世界遺産登録20周年を記念した企画。扇ケ浜を気軽に訪れてもらうきっかけをつくる。CFを通じ「潮ごり」のキーワードやプロジェクトの思いをより多くの人に届ける狙いもある。 モニュメントは、扇ケ浜の自然美を生かした写真映えするデザイン。参考にしたのは、神戸市にある「BE KOBE」で、2017年に神戸開港150年を記念してメリケンパークに設置され、人気となった。その後、アルファベットのモニュメントは、全国各地に設置されている。 南紀みらいの担当者は「扇ケ浜に『現代の潮ごり』を広める起点をつくりたい。熊野古道は千年続いてきた。この先、千年も田辺のまちと海が、多くの人にとって大切な場所であるために、支援を頂きたい」と協力を呼びかけている。 CFは「レディーフォー」を利用している。目標金額は300万円で、モニュメント設置費用に充てる。 リターンは金額に応じ、シオゴリのオリジナルグッズ、田辺の産品セット、来年のシオゴリキャンプへの招待など。募集は11月15日まで。 問い合わせは南紀みらい(0739・22・2180)へ。
紀伊民報