飛行機出勤可で残業ゼロ…『医師が集まる過疎地の病院』地域医療成功のカギは“優秀なドクターと病院の支持”
医療ジャーナリスト 森まどかさん: 「医療というものを心意気だけで継続して行くというのがなかなか難しい時代になってきている。ニーズのあるところで症例がたくさんあるところで医療をしたいと思う医師は、人が多いところに集まりますし、昭和の時代のように24時間自宅に診療所が併設されていて、夜中でも具合が悪いと言って走ってきたら見てあげますよと言ったような文化的なものもやはり廃れていってしまっている。そういう傾向を見ていると、これから医師の偏在というのはますます進んでいくのだろうと思います」
2013年に開院した「松岡救急クリニック」だ。
院長の松岡良典(まつおかよしのり)さん(44)。
クリニックのある地域も長年過疎化による「医師不足」に悩まされていたという。 松岡良典院長: 「鹿児島県自体は医師の6~7割が鹿児島市に集中して、全体の3割ぐらいが残りの地域に分かれている。人口も過疎で、医師もいない、病院もない、という地域で」 そんな場所にオープンしたクリニックのモットーは「24時間365日、すべての患者を受け入れる」ことだ。行き先のなかった患者をとにかく受け入れ、処置をする。年々訪れる人が増加し、今は1日200人近くが来院する。
高齢の女性: 「いつでも見てくださる」 高齢の男性: 「俺の孫なんか、しょっちゅう夜中に熱だしたりするから、ここにしょっちゅう世話になっている」 都心部から離れ夜勤もあるクリニックだが、8人の医師がここで働いている。 どうやって医師を確保したのか。愛知県大府市に住む医師の中野優(なかのまさる )さん(45)は、松岡クリニックに勤務する医師の一人だ。
中野優さん(機内): 「鹿児島にいきます。医者の仕事をしにいきます。週に1回往復している感じなので、月に4回ですね」