沈黙の臓器<腎臓>を守る食事と運動法「注意すべき食品添加物2種、自宅でできるゆったり運動2選」【医師監修】
“沈黙の臓器”と呼ばれ、不調に気づきにくい腎臓。腎機能の低下が3か月以上継続した状態を指す「慢性腎臓病」の患者は、国内に約1330万人もいるといわれており、病状が悪化すれば人工透析か腎移植をしなければ生命を維持できなくなる。慢性腎臓病を防ぐには、食生活と運動習慣の見直しが大切だ。腎臓研究の最前線に立つ名医に、腎臓を鍛えるアプローチ方法を聞いた。 【画像】腎臓の健康に注意すべき食品添加物2種 図でチェック 自宅でできる2種のゆったり運動イラスト解説
教えてくれた人
黒尾誠さん/医師。『腎臓が寿命を決める』(幻冬舎新書)の著者、自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授 上月正博さん/医師。東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長
腎臓を守る食事法「リンを含む食品添加物」に注意
食事や運動を通じて、腎臓を鍛えるアプローチがある。 まず意識したいのが、“老化促進物質”であるリンの摂取量を減らすことだ。『腎臓が寿命を決める』(幻冬舎新書)の著者で、自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授の黒尾誠医師が指摘する。 「普段よく口にする身近な食品から、知らず知らずのうちにリンを摂取していると考えるべきです。 とくにソーセージやハムといった加工肉、かまぼこなどの水産加工品、冷凍食品やインスタント麺、スナック菓子や清涼飲料水などには、食品添加物としてリンが多く含まれています」 「すべて頭に入れて買い物をするのは難しいですが、とくに『リン酸塩』『pH調整剤』が含まれているものは注意したほうがいい。食品ラベルを見る癖をつけるだけで、リンの摂取量が2~3割減らせるというデータもあります」(同前)
腎臓のために摂取すべき食品は?
逆に、積極的に摂取したい食品もある。 「腎臓を傷つける活性酸素を減らすには、抗酸化成分が豊富なタマネギやブロッコリーが有効です。 また、便秘が重くなるほど慢性腎臓病のリスクが高まるとする研究もある。 腸を整える水溶性食物繊維であるコンブやワカメなどの海藻も意識して摂取するとよいでしょう」(山形県立保健医療大学理事長で東北大学名誉教授の上月正博医師)