鹿児島県・龍郷町嘉渡で福祉事業所が音楽祭、地域との相互理解めざし 100人が楽しく交流
龍郷町嘉渡の指定福祉サービス事業所「すまいる」(得田裕樹施設長、利用者20人)は14日、嘉渡生活館で年末恒例となったレクリエーション「すまいる音楽祭」を開いた。近隣住民や他事業所の利用者など100人以上が席を埋め、吹奏楽、シマ唄、フォークソングなど多彩なステージを観賞、にぎやかで楽しい時間を過ごし交流した。 同事業所は、障がいのある利用者が農作業に従事しながら工賃を得る〝農福連携〟の事業所として2017年に開設。地域との交流と障がい者福祉の理解を目的に、開設当初から音楽イベントを開催している。 取り組みは徐々に広がりを見せ、22年から奄美市笠利町の同事業所「まんまる」(中村さおり施設長、利用者20人)が参加、今年は同市名瀬知名瀬の障がい者支援施設「愛の浜園」(七野正彦施設長、入所者40人)が新たに加わった。 ステージは、「すまいる5人衆」のゆかいな仮面ダンスでオープニング、「まんまる」の利用者らは1年かけて練習したというリズム感たっぷりの体操を披露した。「愛の浜園ジャンベ隊」は太鼓を打ちながら「ワイド節」などで会場を巻き込んで踊った。 出演した利用者からは、「人の前で演奏し、盛り上がるのが好き。ほかの施設の人や地元の人と触れ合え楽しかった」との声が聞かれた。 ゲスト出演した大島北高吹奏楽部の2年生3人(東愛生羽(あずま・あおは)さん(16)、赤塚結南(ゆうな)さん(16)、得田藍梨さん(17))は、アンサンブルやアルトサックスのソロで優雅な音を響かせた。 東さんと赤塚さんは「地域行事で演奏するのは初めて。アンコールもあり、ステージ下に踊り出る人もいて温かい雰囲気だった」と話した。 最後は、この日のために結成し猛練習を重ねた「SmileBand」が、「負けないで」「それが大事」などを演奏、利用者たちへの思いを込めた。 得田施設長は「障がいに対する理解を深めてもらう場になればと考えている。施設で作った野菜を近隣に差し入れし、お返しをもらう関係性ができてきた。さらに相互理解を深めていきたい」と語った。