【高校野球】クラークがサヨナラ勝ちで初の決勝進出 決勝犠飛の山田主将「北海道の頂点に立てるのは今大会が最後。何としてでもとりたい」
◆春季北海道高校野球大会 ▽準決勝 クラーク3―2遠軽=延長11回タイブレーク=(27日・札幌円山) 春季北海道大会初制覇を目指すクラークが、遠軽に延長11回サヨナラ勝ち。創部以来初、北北海道勢では2011年の白樺学園以来13年ぶりの決勝進出を決めた。同勢では89年稚内大谷以来35年ぶりの優勝を目指して、28日の決勝に臨む。 タイブレーク2イニング目の延長11回。1死二、三塁で3番・山田陽紫二塁手(3年)が打席に入ると、佐々木啓司監督(68)からの指示が伝えられた。「最初はボール球にも手を出しちゃうくらい緊張していたけど、監督さんから『バットを落とすだけでいい』と言われて気持ちが楽になった」。140キロ台前半の快速球を連発していた遠軽の3番手・橋場蒼汰投手(3年)の内角直球を強振し「意外と上に上がってしまってタッチアップ切れないかと思ったので、走りながら祈ってました」。相手の左翼手が定位置付近で捕球したが、三塁走者の金原律右翼手(3年)が迷わずスタート。ヘッドスライディングで決勝のホームを触った。 25日の準々決勝・駒大苫小牧戦では、山田と三遊間の甲子園経験組の3人で計4失策。チームでも計5失策と守備が乱れた。試合後の自主練習では「自分たちでノックやろうよと言って、内野手全員がノックを受けていた。その結果が良い形になった」と、この日はノーエラー。無死一、二塁から始まるタイブレークでは、4番手・佐藤蒼汰投手(3年)を中心に2イニングを無失点で切り抜け、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。 2014年創部のクラークは、創部3年目の16年に春季北海道大会初出場。山田の兄・晴陽さんが主将を務めた21年の4強がこれまでの最高成績だった。初優勝をかけて臨む決勝に向け、山田は「3年生にとって北海道の頂点に立てるのは今大会が最後。何としてでもとりたい」と初制覇を誓った。
報知新聞社