岩田剛典、物語のキーマン・緋山役は「表情だけでストーリーをつなぐ役目なので難しかった」『アンチヒーロー』インタビュー
長谷川博己さんが主演を務める日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)で、緋山啓太役を演じる岩田剛典さんにインタビュー。役作りについてや撮影現場の裏話などを聞いた。 【写真】第2話で緋山(岩田剛典)が作業服を捨てる雨降らしシーン 長谷川さんが演じるのは、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨正樹。「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、視聴者に“正義とは果たして何なのか?”“世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問いかける、前代未聞の逆転パラドックスエンターテイメントだ。 岩田さん演じる緋山啓太は、羽木精工の元社員。羽木社長殺人容疑で起訴されたが、明墨の手によって無罪に。そして、明墨が追う事件に何やら関わっている様子で…。 ◆本作が初めての日曜劇場への出演ということですが、感想を教えてください。 緊張感あるシーンが続く作品ですし、出演されている出演者の皆さんも本当にいろんな作品で重要な役どころを演じてきた方々ばかりなので、日曜劇場だなという感じがしています。これまであまりこの髪の明るさでドラマに出たこともなかったですし、いわゆる1話、2話のゲストのように見せかけて、後半でまた出てくるという役どころは初めてでした。12年前と現在がすごく入り組んだ脚本のキーマンというのも新鮮です。 ◆脚本を読んでの感想を教えてください。 台本が面白いというのはすごく役者にとって魅力があるなと思います。そして作品に入る前に8話、9話ぐらいまで台本が出来上がっていたので、どっしりと安心感のある、信頼できる現場だなと感じました。なかなかそこまで台本がそろった状況で現場にクランクインすることは少ないので。台本がないうちに芝居するのと、台本があって理解した上で芝居するのとでは雲泥の差なので、先を計算しながら芝居ができてよかったなと思っています。 ◆計算したのはどのシーンでしょうか? (北村)匠海君演じる赤峰との対話のシーン。緋山というキャラクターを作っていく上で非常に重要な、人となりだったり、過去がようやく分かるというところです。 ◆そこに向けて、序盤から変化をつけていたイメージでしょうか? シーンの逆算というよりは、振り返って見たときに1話、2話の緋山の感じに納得していただけるかなというところです。1話、2話では視聴者の皆さんをだまそうと思ってお芝居をしていたわけではないですが、8話、9話、10話と見ていただくと、自然と1話、2話はそういう流れになりますよねと納得できるかなと。そういうところが脚本に隙がないと思います。 ◆緋山を演じるに当たって、心掛けたことはありますか? 過去に起きた出来事が緋山にとても影響していて、実は1話の冒頭のシーンから伏線が張られているんです。脚本を読んだだけの印象と、実際に1話、2話の脚本ではまだ描かれきっていない部分を、先に自分の中できちんと整理してから、クランクインのシーンに臨んだので。本当に脚本がある状態でこういう役柄を演じられたことがすごくありがたかったです。役作りでは、決して根が明るい青年ではなかったので、たたずまいであったり、目の奥の光のなさであったり、口調も意識しながら演じています。 ◆ここは難しかったなというところはありますか? 僕は皆さんに比べてせりふが多い役柄ではなかったので、大変と言っていられない感じですが、強いて言えば表情だけでストーリーをつなぐ役目なので、そういうところは難しかったです。それと、この数か月、初日に決めた緋山の表情と声色をずっと維持して演じることも難しいかもしれません。