自転車の2人乗りでも「反則金」 クルマ並み「青切符」導入へ 対象となる違反行為は110以上 「規制だけでなく道路などのインフラ整備も重要」と専門家
■「二人乗り」や「傘さし運転」も反則金 違反行為は110種類以上
本田聡弁護士:現在、110種類以上の違法行為が「青切符」の対象になると言われています。これは、現行の道路交通法で自動車やバイクに対して行われている「反則行為」に則って、内容を決めていくからです。 自動車も、自転車も、車両です。基本的に同じ車両が守るべきものは、自転車も守らなければならないことになります。「自動車はダメなのに、自転車は守らなくていいのですか?」とならないためにも、自動車のルールを適用していくということです。 これに、自転車固有の違反も追加されることになると思います。 「スマホなどのながら運転」や「信号無視」「一時不停止」などだけでなく、自転車でよくみられる「二人乗り」や「傘さし運転」「逆走」なども違反行為になりますから、注意が必要です。 違反行為の名称や、反則金の金額などの詳細は、これから検討して、政令で定めることになります。
■「ルール作り」と「インフラ整備」は両輪で動かすべき
本田聡弁護士:青切符導入は、自転車のマナー違反に対する抑止力効果は期待できます。ですが、一方で、ルール作り(法整備)とインフラ整備は両輪で動かないといけません。 現状、自転車と自動車の進路が交錯して、双方が安全に走れないと思われるような場面があったり、自転車が守ろうと思っても、守れない規制があったりします。 例えば、片側2車線の道路を自転車が直進していて、道路が二手に分かれているいわゆる「Y字路」に遭遇したとしましょう。この場合、どうすればいいの?というのがあります。 自転車は「左車線」ですから、Yの字の右側に行きたい場合は、Y字路を左側に進んでやり過ごしたあとに、道路を横断して、降車して自転車を手押しして戻ってきて、Y字路のところで、乗車するなどの方法をとるか、どこかで違反をしないといけないケースが多くなります。 こういうことが起きないようにするには、自転車用の信号を付けるなどのインフラ整備を整えていく必要があります。 この数年、自転車専用レーンも少し増えてきたように思いますし、自転車が通ることを示す青い矢印(矢羽根マーク)が書かれた道路なども見かけるようになりました。 少しずつですが、インフラ整備が進んできていることは感じます。 ルール作り(法整備)とインフラ整備はセット。そこはすごく大事な所です。自転車は、子どもから高齢者までが利用する身近な乗り物です。違反をしないように私たちが気を付けることは当然ですが、これを機に、ぜひ自転車を利用しやすい環境も整えていって欲しいと思います。 (本田聡弁護士)
関西テレビ