サウジアラビアは中国の二の舞となる? 助っ人頼みのリーグは代表の弱体化に繋がる「中国スーパーリーグの10年間が示している」
自国の選手がリーグで出番を確保できていない現状も
2026ワールドカップ・アジア最終予選のグループCでは、首位を快走する日本代表を除く5チームがとんでもないレースを展開している。 [動画]サウジアラビアはインドネシアに敗れてグループC4位に 首位の日本は今月も連勝し、6試合を終えて5勝1分と負けがない。すでにワールドカップ出場権獲得へ王手をかけており、組織としての仕上がりは群を抜いている。 一方、大混戦なのが2位以下だ。現在2位は勝ち点7のオーストラリア代表だが、最下位の中国代表とは1ポイントしか離れていない。この出場権争いは最後の最後まで荒れるだろう。 大混戦の理由としては、ワールドカップ常連国でもあるオーストラリア、サウジアラビアの苦戦によるところが大きい。中でも『ESPN』が問題視したのは、先日インドネシアにあっさりと0-2で敗れたサウジアラビアだ。 サウジアラビアといえば、国内のサウジ・プロフェッショナルリーグが大きな注目を集めている。アル・ナスルのクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、アル・ヒラル、アル・イテハド、アル・アハリなどに欧州からトッププレイヤーが集結しており、超豪華集団が形成されているのだ。 ただ、それが代表チームの強化に繋がっているかは微妙なところ。むしろ、代表の弱体化に繋がっているとの見方もある。『ESPN』のガブリエウ・タン記者も、自国の選手が出番を確保できていない点を問題視する。 「自国のリーグにワールドクラスの選手が大量に参入してくる流れは諸刃の剣でもある。それは中国スーパーリーグの10年間が示している。ロナウドやネイマールといった選手が加入することでリーグの注目度は上がり、それが商業的利益をもたらす点はある。また、彼らトップスターと自国の選手が一緒にトレーニングすることで、サウジアラビアの選手のレベルアップに繋がるとの期待もある」 「しかし、サッカー選手にとってトップチームで試合に出ることが何よりも重要であることに変わりはない。たとえトップスターであっても、クラブで出番を確保していない場合は代表チームから外れることもある。前サウジアラビア代表監督のロベルト・マンチーニは、当初よりサウジアラビアの選手がリーグでプレイしていないことを問題視していたが、その考えは正当なものだった。もっと早くから外国人選手の枠に制限を設けておくべきだったのではないか」 ロナウドやカリム・ベンゼマ、アレクサンダル・ミトロビッチといった一線級のアタッカーがいる場合、攻撃部分を彼らに依存しがちになるところもあるだろう。そうした動きはサウジアラビア代表の発展に良い影響を与えないように思えるが、サウジアラビアはアジア最終予選グループCで1勝しか挙げられないまま4位に沈む現状をどう見ているのか。
構成/ザ・ワールド編集部
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