“ロリィタの聖地”でジャスコが16年ぶりに復活 「下妻物語」20周年イベントで
劇中では“ダサい”店として登場するジャスコで、「下妻物語」の名を掲げたイベントを開催することに対して、反対の声はなかったのだろうか。内山学実行委員長は「楽しく捉えているので大丈夫。いじられるのも悪くないし、地域活性化になる。映画『翔んで埼玉』と同じ」と笑った。また、イオンモール下妻の山下大毅営業担当も、「下妻を映画の舞台で終わらせるのではなく、“ロリィタファッションの聖地”にしたい。ここではロリィタの洋服を着ていても、もはや誰も驚かないくらいの環境にできたら」と続けた。
原作者・嶽本野ばらが審査員
ロリィタファッションショー
イベント当日は、ジャスコの至る所で、ロリィタファッションに身を包んだ女性たちが買い物を楽しんでいた。中には親子連れも多く、ロリィタの世界の裾野の広さを垣間見た。原作者・嶽本野ばらのサイン会イベントや、土屋アンナの登場によって会場が騒然となったトークショー、ロリィタファッション体験会を開催したほか、映画の記念品展示コーナーなどを設けたり、駐車場にキッチンカーを何台も手配したりと、コンテンツも豊富に用意した。
中でも面白かったのは、25日に実施したロリィタファッションショーだ。事前エントリーしたロリィタファッション愛好家15人が、館内の特設ステージに一人ずつ上がり、ポージングをしながら自己アピールをする。それを嶽本野ばらが審査し、最も素晴らしいロリィタを決定するという内容だ。
ロリィタファッションをまとって現れた嶽本は、「自分を貫くに値するお洋服だからこそ、僕はロリィタファッションにこだわってきた」と語り、「今日はそのような点も含めて審査したい」と意気込んだ。ショーの合間にはトレンドや歴史に触れ、「最近はロリィタ高齢化問題が話題になっている」「この格好をする人は僕のガチファンだから、甘く評価したい」などと、随所にユーモアを散りばめて会場の笑いを誘った。
優勝したのは、愛知県からエントリーしたというみるんさん(仮名)だ。嶽本は「(『ベイビー』の人気キャラクターである)“うさくみゃちゃん”を身につけた王道のロリィタ。幅広のヘッドドレスを付けて、トレンドをうまく取り入れている」と賞賛した。イベント後、近隣の境町から来たという山田りんご(仮名)さんに感想を聞くと、「いろいろなジャンルのロリィタさんが見られて、とても参考になった」と満足げだった。