【日経新春杯回顧】去りゆく師に捧ぐ重賞V スタミナ色濃いブローザホーンが才能開花
適性違いでも3着だったサトノグランツ
2着は菊花賞5着サヴォーナ。外枠からうまく好位のインに入って、抜けてきたが、最後の最後に伸びを欠いた。先行勢に辛い競馬だったことは覚えておこう。キズナの長距離といえばディープボンドを思い浮かべる。勝ち切れず、もどかしさを感じる一方で、簡単には崩れないひたむきさも示す。サヴォーナもどこか似た雰囲気がある。単勝は避けつつも、馬券の連軸向きではないか。このタイプは人気に左右されない頑固さがあるので、味方につけよう。 3着サトノグランツは京都新聞杯と神戸新聞杯を勝った実力馬らしく、菊花賞から距離を短縮して、再浮上した。上位2頭とはスタミナの差だろう。GⅡ2勝はいずれも上がり3F・33秒台前半を記録しており、どちらかといえば、軽いレース向きで、今回は適条件とはいえない。それでも3着なら、健闘したといっていい。1、2着馬と路線がかち合った場合、舞台や馬場などに照らして、上げ下げしよう。 2番人気ハーツコンチェルトは4着。ハーツクライ産駒特有のもどかしい状況が続くが、そもそもハーツクライ産駒は京都のアップダウンを苦手とする馬が多い。本質は東京の中距離型であり、舞台替わりでの巻き返しに期待しよう。
ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳