多重事故、閉じ込め救出 三重・多気町の伊勢道で総合訓練
県内の5消防本部など連携
三重県内高速道路消防連絡協議会(会長=真弓明之・四日市市消防本部消防長)は14日午前10時から三重県多気郡多気町丹生の伊勢自動車道勢和多気インターチェンジ作業ヤードで、多重事故を想定した総合消防訓練を行った。 同協議会は県内の10消防本部と県、県警、中日本高速道路などで構成している。訓練は、高速道路内で大規模災害や特殊災害が発生した際、関係機関が連携して円滑に対応する体制を強化するとともに、災害時の活動能力の向上を図り被害を最小限にとどめることを目的に実施。毎年、県内各所で持ち回りで行っている。 今回は、「紀勢自動車道下り線の対面通行区間で、逆走車が衝突し、後続車を含む5台の多重事故が起こり、多くの負傷者が出て、車両火災が発生した」と想定して行われた。 松阪地区、紀勢地区、津市、伊勢市、三重紀北の消防本部など関係機関から119人が参加。消防士らが県警高速道路交通警察隊員などと連携しながら、道路規制や消火、負傷者救助などに取り組んだ。 うち、隣接した2台の車両に閉じ込められた傷病者の救助では、ワイヤでけん引して事故車両同士を引き離し、車のガラスを割り、ドアを工具で切って開放し救出するなど計13人の傷病者を迅速に救助する訓練が行われた。 松阪地区広域消防組合の渡部歩警防課長(54)は「高速道路を利用される方の安心安全を守るために、近隣消防本部などと連携して訓練することで、これからも災害対策能力の向上に努めてまいります」と話した。