電撃移籍のマルティン、スピード契約の動機は「翻意したドゥカティへの怒りじゃない」とアプリリアCEO
6月3日、アプリリアは引退するアレイシ・エスパルガロの後任として、ホルヘ・マルティンと契約したことを発表した。マッシモ・リボラCEOは、マルティンが移籍を決めた要因は、ファクトリー昇格のオファーを撤回したドゥカティへの怒りではないと考えている。 【動画】MotoGP2024 第7戦イタリアGPハイライト イタリアGP前には、ドゥカティのファクトリーチーム昇格が決定的だと報じられたマルティン。しかし同じく昇格候補だったマルク・マルケスが、マルティンに代わってプラマックに移籍することを拒否。昇格できないのであれば、グレシーニでファクトリーバイクに乗りたいとコメントしたことから事態が複雑化した。 そして土曜日の午後、ドゥカティの関係者はマルティンに、彼とマルケスの両方を2025年までドゥカティ陣営に残す方法を見つける時間をもらえるよう、相談したようだ。 しかしマルティンはこれを拒否。ドゥカティは彼のマネージャーにファクトリーチーム入りのオファーを撤回すると伝えた。 その後、マルティンと彼の代理人はすぐに会合を開き、3つのオファーのうち1つを受け入れ、2年契約でアプリリアに移籍することを決定。両者の契約は月曜日に調印され、その後アプリリアは短いビデオでマルティンとの契約を電撃発表した。 その後、リボラCEOはメディアの取材に応じ、トップライダーであるマルティンとの契約が成立したことに「非常に満足している」と語った。 マルケスを失う恐怖に駆られたドゥカティとの意見の相違から、マルティンはアプリリアへの移籍を急いだと解釈されるかもしれないが、マルティンの決断は熟慮されたものだとリボラCEOは主張する。 「私には彼と契約できて非常に嬉しいとしか言えない。もし彼が怒っているなら、来年はさらにコンマ1秒速くなっているかもしれないね」 「分からないが、正直に言って私はホルヘがとても幸せそうにしているのを見た。彼の頭の中では、決断しなければならないことが明確ではなかったのかもしれない。でも彼は決断した」 「ホルヘが喜んでいるのを見たし、アレイシもホルヘを歓迎し、興奮して喜んでいるのを見た。ホルヘが重要な決断を下し、肩の荷が下りた瞬間だったと思う。ホルヘが決断を下したことを喜んでくれると思いたい」 元フェラーリF1エンジニアのリボラCEOにとって、現在ポイントリーダーに立っているマルティンとの契約は失うことのできないチャンスだった。 「実は、ホルヘのようなライダーがマーケットに出るとは想像していなかった。ドゥカティが何をしているのかを目にし、そしてその可能性が出てきたとき、私たちはすぐにそれをモノにした」 リボラCEOは、スペインGPを前に年からアプリリアに所属してきたエスパルガロが2024年いっぱいでMotoGPを去ることが明らかになった後、マルティン獲得に動き出したと明かした。 「バルセロナでアレイシが今季限りで引退すると言ったとき、我々はその可能性に興味を持ち始めた」 「きっと私の動きが他の決断を促したのだろう。ドゥカティは最初ムジェロでラインアップを発表すると言っていたのに、そうではないと言われた」 「アレイシの決断に我々は適応した。そのおかげでホルヘと話を始めることができたし、前に進むことができた。ラッキーだったと言わざるを得ないね。彼はやる気満々で我々と契約することを喜んでいるのを見て、我々もとてもハッピーだよ」 アプリリアは残る1席に座るライダーについて、今季で契約が切れるマーベリック・ビニャーレスと新たな契約を結ぶのか、それとも別の選択肢を市場で探すのかはまだ不明だ。 「私はマーベリックもトップライダーだと考えているし、彼ら2人とペアを組むことができれば、私にとってはチャンピオンシップで最強のコンビになるだろう」 そうリボラCEOは付け加えた。 「でも、いつも望みが叶うとは限らない。今日、我々はマルティンと契約するチャンスを与えられ、スピードと決断力をもって即座にそれを手にした。史上最速の契約だ」 「確かにホルヘが受けたオファーの中で、我々のオファーは立派ではあったが、おそらく最高のものではなかっただろう。だがチームのクオリティーと我々の仕事、そしてアレイシが彼に話したことが、彼を納得させたのだ」
German Garcia Casanovs