科学が証明「寝不足だと風邪をひきやすい」は真実 アメリカ発・興味深い睡眠研究の結果2つを紹介
免疫がちゃんとはたらくように、睡眠も調節されるわけです。 ただし、感染症が重症化してしまい、体の消耗が激しい場合には、ノンレム睡眠もレム睡眠も減少します。痛みや発熱だけでなく、さまざまな異常によって、ぐっすり眠るどころではなくなってしまうのでしょう。 たとえば細菌が全身に回って、免疫でも手に負えず非常に危険な状態になる敗血症では、高熱による意識混濁、呼吸困難なども生じます。こんな状態では、ぐっすり快眠どころではないことは、推察できます。
[註9]睡眠効率とは、ベッドの中にいる時間と実際に眠っている時間の比率をいう。たとえば8時間ベッドの中にいたとしても、正味6時間しか寝ていなかったとすれば、睡眠効率は「6÷8×100=75%」となる。もちろん、睡眠効率は100%に近いほど望ましい。 ④Everson, C. A., & Toth, L. A. (2000). Systemic bacterial invasion induced by sleep deprivation. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 278(4), R905-916. https://doi.org/10.1152/ajpregu.2000.278.4.R905
⑸ Prather, A. A., Janicki-Deverts, D., Hall, M. H., & Cohen, S. (2015). Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold. Sleep, 38(9), 1353-1359. https://doi.org/10.5665/sleep.4968 ⑨Drake, C. L., Roehrs, T. A., Royer, H., Koshorek, G., Turner, R. B., & Roth, T. (2000). Effects of an experimentally induced rhinovirus cold on sleep, performance, and daytime alertness. Physiology & Behavior, 71(1), 75-81. https://doi.org/https://doi.org/10.1016/S0031-9384(00)00322-X
⑽Imeri, L., & Opp, M. R. (2009). How (and why) the immune system makes us sleep. Nature Reviews Neuroscience, 10(3), 199-210. https://doi.org/10.1038/nrn2576
西多 昌規 :早稲田大学教授 早稲田大学睡眠研究所所長 精神科医