[50cc原付バイク生産終了へ] 現在まで延命できたのは“アイドリングストップ”機能のおかげ?
50cc原付バイクの延命には必要不可欠だった
このように、バイクにおけるアイドリングストップの第一人者はホンダだと言えます。 ところで、国産バイク初のアイドリングストップ機能搭載車となる「ジョルノクレア デラックス」が登場した1999年当時は、まだ排ガス規制が緩く、アイドリングストップ機能は必須ではありませんでした。 しかし、後にヤマハが50cc原付バイクの生産から撤退したように、コストや機能の制約から触媒の追加が難しい50ccエンジンで排ガス量を抑えるには、アイドリングストップ機能が不可欠でした。 ホンダが開発したアイドリングストップ機能は、50ccバイクを現在まで延命させた立役者とも言えるでしょう。 その50cc原付バイクは、2025年から原付二種のエンジン出力を抑える形で継続販売される見込みで、アイドリングストップ機能自体はほとんどの原付二種クラスのスクーターに搭載されています(2024年現在)。 なお、バイクでの採用例が増えているとはいえ、バイク全体で見ればアイドリングストップ機能は主流ではありません。 アイドリングストップ機能が原付クラスのスクーターに積極的に採用されているのは、この機能を搭載したエンジンを複数車種に流用しやすい利点があることに加え、市街地走行に多く利用されるスクーターがもっともアイドリングストップの効果が出やすいためと言えるでしょう。 もしこれから(スクーター以外の)バイクにアイドリングストップ機能を追加するとなると、 限りあるスペースを圧迫するうえ、バイクによっては大幅な設計変更が必要になります。 そもそも、スクーターに比べて市街地走行の頻度が少ない(スクーター以外の)バイクでは、アイドリングストップの恩恵が受けにくいため、車両価格を引き上げるだけの結果になりかねません。 カワサキは、今後発売予定の「ニンジャ7ハイブリッド/Z7ハイブリッド」にアイドリングストップを採用していますが、これはモーターで発進加速できることからアイドリングの必要がないためです。 クルマでも同様に、ハイブリッド車にはアイドリングストップ機能が備わっているものの、純ガソリンエンジン車では採用例が減っています。 今後バイク全体にアイドリングストップ機能が広まるかどうかについては不明ですが、現状では市街地走行が多いスクーター用の装備となっています。
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ヤングマシン編集部