【九州場所】元貴景勝が〝ほのぼの〟解説デビュー「勝負師としては終わったので」
大相撲九州場所7日目(16日、福岡国際センター)で、先場所限りで引退した元大関貴景勝の湊川親方(28)が初々しい解説デビューを果たした。 この日のNHK中継で、幕内の正面解説を担当。「現役の時はこういった角度から(相撲を)見ることがなかったのですごく新鮮です」と緊張した面持ちを見せた。 放送内で現役時代から4、5キロ体重が落ちたことを告白し「筋肉が落ちたのと無理してご飯を食べる必要がなくなったので。その辺で少し(体を)絞れたのかなと思うけど、またすぐ停滞がくる予感がします」と苦笑い。 現役時代の〝勝負師〟としての顔とは異なり、柔和な表情を見せ「現役の時はつくっている顔の時もあったので。でも今は勝負師としては終わったので、楽しくやっていきたいと思います」と語った。 この日に大関豊昇龍(立浪)と幕内阿武剋(阿武松)が初黒星を喫し、無敗力士が消滅。優勝争いでは大関琴桜(佐渡ヶ嶽)が1敗をキープし、新大関大の里(二所ノ関)は2敗の1差でトップを追いかける展開となった。 湊川親方は「全勝がいなくなって、琴桜関も1敗で(首位に)並んだ。ここからまた大の里関が勝って(優勝争いを)かき乱して、混戦になるんじゃないかなと思います」と8日目以降の展望を占った。 そして、全取組後には「楽しかったけど、すごく緊張した。初めてのことはなんでも緊張する」と笑顔。これに、向正面の解説だった元関脇嘉風の中村親方(42)から「まったく緊張しているとは感じなかったけど(笑い)。同じ(二所ノ関)一門だし、これからたくさんのお客さんに拍手をもらえるような力士をお互いに育てて、その弟子同士が熱戦を繰り広げるのが楽しみです」とエールが送られた。 現在は常盤山部屋の部屋付きとして力士を指導している湊川親方は「まずは自分が早く親方の仕事をしっかり覚えて、いい弟子を育てることが相撲協会への一番の恩返しだと思う。気合と根性を持った古風な力士を育てて、一緒に頑張ることができたらこれ以上ないことだと思います」と抱負を語った。
東スポWEB