株投資の達人が解説する「四季報」の正しい見方…お金の出入りに注目しろ!
投資キャッシュフローがマイナスでもよい理由
投資キャッシュフロー 投資キャッシュフローは、投資活動における投資と回収のお金の流れです。お好み焼き屋さんでいえば、鉄板や冷蔵庫を買ったり、お店のさまざまな備品を購入したりする必要があります。このように投資にお金を回せば投資キャッシュフローはマイナスに、反対に設備や工場を売れば投資キャッシュフローはプラスになりますが、その差し引きが投資キャッシュフローです。 企業は成長のために投資をし続ける必要があります。そのため、投資キャッシュフローはマイナスでもよいのです。 営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したものを「フリーキャッシュフロー」といいます。フリーキャッシュフローは四季報には記載されていませんが、とても大事なものです。フリーキャッシュフローは、営業キャッシュフローの中から、必要な投資である投資キャッシュフローを差し引いても残るお金であり、非常に自由度が高いため「フリーキャッシュ」と呼ばれます。戦略的かつ機動的に使える「虎の子」になるため、プラスになっているかを確認しましょう。 ここで、営業キャッシュフローの説明で「マイナスでもお店を続ける方法がある」とお伝えしたことがつながります。
財務キャッシュフローはマイナスが好ましい
その方法というのが、「財務キャッシュフロー」です。 財務キャッシュフローは、現金の「調達(収入)」と「返済(支出)」の流れです。銀行からお金を借りる、株式を発行して資金を調達する、そのようにして現金が入ってくると財務キャッシュフローはプラスになります。反対に、借入金の返済などで銀行にお金を返したりすれば現金が出ていくため、財務キャッシュフローはマイナスになるのです。 先ほどの営業キャッシュフローがマイナスのケースですが、さらに投資キャッシュフローもマイナスとなると、手元にはお金がないだけでなく、借金もある状態になりますが、それを埋めるのが銀行からの借り入れなどの財務キャッシュフローです。 ただし、借金は返した方がいいもの。だから、財務キャッシュフローはマイナスが好ましいのです。 それぞれのキャッシュフローの組み合わせはいろいろありますが、一般的には営業キャッシュフロー(プラス)、投資キャッシュフロー(マイナス)、フリーキャッシュフロー(プラス)、財務キャッシュフロー(マイナス)がきれいな組み合わせと考えてよいでしょう。