斎藤知事が初めておわび、「補償届くよう」…旧優生保護法の兵庫県内被害者延べ1880人
旧優生保護法に基づき、不妊手術を強制されるなどした被害者の救済について、兵庫県は8日、県内の被害者が少なくとも延べ1880人に上るとする独自調査結果を公表した。斎藤元彦知事は定例記者会見で「被害者をはじめ関係者におわび申し上げたい」と初めて謝罪し、補償金を支給する被害者を救済するための新法が17日に施行されるのに合わせ、相談窓口を利用するよう呼びかけた。 被害者の救済を巡っては、不妊手術を強制された生存する被害者に一時金320万円を支払う法律が2019年に成立し、県内では昨年11月末までに21人に支給されている。
新法は、補償対象に被害者の配偶者や遺族も加え、被害者に1500万円、配偶者に500万円、人工妊娠中絶手術をされた被害者には一時金200万円をそれぞれ支給する。 県の過去の調査では、不妊手術の被害者は延べ470人で、このうち65人の氏名などを把握している。 一方、人工中絶手術の被害者は、統計資料などを調べた結果、少なくとも延べ1410人に上ることが判明。昨年11~12月に県内市町や医療機関など約6200か所に照会をかけた結果、11人の氏名や住所などがわかり、今後は個別通知を検討するとともに、調査を継続して実態把握に努める。
斎藤知事は記者会見で、県が1966~74年に全国に先駆けて優生政策を積極的に進めた歴史に触れ、「優生政策の推進は反省しなければならない。県独自の運動は不適切で、実施すべきではなかった」とし、「当事者を含め関係団体からの要望、声を受け止め、被害者に補償が届くように取り組みたい」と述べた。 県は、県庁1号館5階の健康増進課に専用窓口(078・362・3439、平日午前9時~午後5時、面談可)を設置。看護師が相談を受けるほか、法的な助言が必要な場合は無料の弁護士相談を案内する。