スキンケアの効果が表れるまでにかかる時間は? タイムラインを知っておこう
保湿系成分は時間をかけてゆっくりと
スキンケアにおいて“正解”と呼べる絶対的な科学は存在しないようだ。「ある成分は、他の成分よりもはるかに早く肌に作用します。一般的に、直接的な酸やレチノイドなどは角質除去を促し、即効性のある変化をもたらす傾向があります。一方、天然保湿因子やナイアシンアミド、抗酸化成分などは、即座の劇的な変化ではなく、時間をかけて肌の健やかさをサポートする長期的な効果を目指します」とカカ氏は指摘。
たとえば、「オーディナリー」のナイアシンアミド 10% + 亜鉛 1%を用いた製品は、肌のトラブルにアプローチする処方で、試験結果によればわずか7日で肌のバリア機能が強化され、うるおいを実感できたという。そして8週間使用すると、よりなめらかな肌質の向上が見られることが確認されたそう。このアイテムは短期的な恩恵と長期的なサポートが同時に存在することが明らかなのだとか。 「臨床試験は、製品が美容効果を充分に発揮できるようあらかじめ設定された期間や条件が考慮されており、個々人の経過ではなく、参加者グループ全体で標準化されています」。つまり、製品の効果は一括して平均化された基準で評価されるため、一人ひとりが感じる変化のスピードは異なり得る。結局のところ、スキンケア効果が表れるまでの期間は一つの成分や製品に依存するのではなく、複合的な要因によって左右されるといえる。
有効成分を最大限に引き出すための3ステップケア
スキンケア有効成分の効果が現れるまでの期間を正確に予測するのは難しいものだけど、その力をより引き出すための工夫は可能だ。エキスパートが推奨するのは“準備・アクティブケア・密封”という3ステップのルーティン。 まず準備段階では、肌を整えて製品を受け入れやすくする。ここで活躍するのが洗顔料やトナー(化粧水)。汚れや余分な皮脂をオフし、肌を清らかな状態に整えたうえで、アクティブケアのステップへ移行しよう。次に選ぶのは、有効成分を含むセラム。肌悩み別に狙い撃ちできるので、シワ・くすみ・毛穴など、求める効果に合わせて1~3種類を上限に組み合わせる。ただし、混ぜ合わせてはいけない成分同士があることを忘れずに。 最後の密封のステップでは、よりリッチな保湿アイテムやクリームを重ね、有効成分が肌から逃げないよう封じ込める。こうして成分を肌内部でしっかり働かせることで、課題となるトラブルに的確にアプローチ。確立されたフルルーティンを取り入れれば、有効成分の浸透と効果を高め、望む肌状態へとスムーズに導くことができるはず。