欧州製薬団体連合会、5患者団体に助成金など贈る―第7回PASE AWARD授与式
◇受賞2団体が活動計画を報告
授与式では、岩屋会長が「審査にあたりどういう活動をしている団体か、対象となる活動などについて話を聞いている。審査と言っているが、毎年我々が教えてもらっている。想像ではたどり着けない現実の努力を教えていただいていると感じている」とあいさつ。審査員を代表して中山氏の「受賞団体の活動計画は、自団体または社会課題を明確に示し、その解決のための明確な提案だった。今年のテーマである『患者さんの健康および生活の質の向上を目指した患者団体の活動』に深く寄与するものであり、いずれも素晴らしい内容だった」との講評が読み上げられた。 続いて、審査で評価が高かった2団体の代表者が受賞した活動計画を報告した。 膠原病・リウマチ・血管炎 サポートネットワークの大河内範子代表理事は「子どもだけでなく保護者や医療従事者にとっても学校に病気のことを伝えるのは難しいという事実が分かった。そこで、インドネシアの患者団体が製作した絵本を日本語に翻訳し、小児膠原病の子どもや保護者を通して学校に寄贈することとした。助成金により、さらに一歩踏み出し、患者や家族が希望を持って生きるために新たな取り組みが実現できることを大変うれしく思っている」とあいさつ。 パンキャンジャパンの眞島喜幸理事長は「膵臓がんは早期発見が難しく、半数以上が転移性膵がんで見つかる。最近の研究で、4人に1人が糖尿病と診断された後で膵臓がんが見つかっていることが明らかになった。また、大人になって糖尿病になった人の100人に1人は、3年以内に膵臓がんを発症することが分かった。(今回の受賞によって)この新しい発見を基に、糖尿病を発症した人をスクリーニングすることで膵臓がんの早期発見ができるというキャンペーンを、糖尿病学会、膵臓がんの専門家と一緒に日本で進めてゆきたい」と述べた。 最後にEFPIA(本部)のラース・フルアガード・ヨルゲンセン会長があいさつに立ち「イノベーション促進のためには患者のニーズを把握することが極めて重要だと確信している。EUにおけるEFPIAは、EU全域で活動している患者団体と産業界との間で多くの対話と協力を促進し、患者に直接影響を与える問題に取り組んでいる。今回の日本の皆さんの提案は、そうした活動のロールモデルになるのではないかと考えている」と受賞団体をたたえた。
メディカルノート