侍封じた台湾右腕の異色経歴に脚光「NPB復帰いける」「報われたなぁ」高校から日本留学、大学で本塁打王、野手でプロ入り、人的補償…
◆ラグザスpresents第3回プレミア12決勝 日本0―4台湾(24日、東京ドーム) 侍ジャパンを封じ〝世界一の勝利投手〟となった右腕の異色の経歴に注目が集まった。 ■日本に留学、大学時代は本塁打王に輝いた張奕【写真】 4点をリードした5回から台湾の2番手としてマウンドに立ったのは張奕。5回こそ2安打を浴びピンチを背負ったものの、6、7回には最速152㌔の直球と鋭いスプリットを武器に3奪三振。最後は佐野恵太をスプリットで空振り三振に仕留め雄たけび。反撃を狙った侍打線を3回無失点に抑え込んだ。 張奕は、日本ハムや巨人で活躍した陽岱鋼に憧れ、福岡第一高校に野球留学。三塁手や外野手、時には投手としてマウンドにも上がり活躍し、日本経済大学に進学した。日本経済大学では俊足強肩強打の外野手として長打力が開花。4年秋には福岡六大学野球の本塁打王に輝き、オリックスに育成ドラフト1位で指名された。 しかし、オリックスでは打者として芽が出ず。2年目に強肩を買われ投手に転向。3年目には投手登録となり、支配下に昇格。2019年8月8日の日本ハム戦(旭川)で6回1失点の好投を見せてプロ初勝利をマークし、日本人の一般女性との結婚を発表。長男が誕生していたことも明かした。そのオフに行われた第2回プレミア12では台湾代表としてプレーし、13回2/3無失点の快投で先発投手部門でベストナインに選ばれた。 その後は故障などもあり、活躍の機会を失っていた張奕は、22年オフに森友哉のFA人的補償として西武に移籍。新天地で復活を目指したが、故障に泣き1年で戦力外に。合同トライアウトを受けるも声がかからず台湾に帰国していた。 今大会では5試合に救援登板。8イニングを投げ、被安打4奪三振9で無失点と快投を続け3勝をマークした。国際試合で無類の強さを見せる右腕にSNS上では「3勝してんのか」「良かったな、報われたなぁ」「素晴らしかったね」「なんの驚きもないよ」「NPB復帰いけるんじゃないの?」などの声が上がっている。
西日本新聞社