【ボクシング】18歳山本愛翔が「54秒殺」でMVP「強い選手の中で取れてうれしい」全日本新人王
ボクシング全日本新人王決勝戦は21日、東京・後楽園ホールで行われ、スーパーバンタム級で今大会最年少の山本愛翔(18=カシミ)が新人王を獲得した。決勝で矢野円来(23=花形)と拳を交え、2度のダウンを奪って1回0分54秒、TKO勝利を収めた。右ボディーと左フックで計2度のダウンを奪い、レフェリーストップ勝ち。「54秒殺」で大会MVPに選ばれ「強い人ばかりの中、取れてうれしい」と喜んだ。 中学1年の18年8月、金沢市で開催された所属ジム興行に井上尚弥(大橋)が特別スパーリングで来場。山本は「尚弥さんと話し『頑張ってください』と言われて、あこがれの人」と回顧。高校進学を契機に家族のいる七尾市から離れ、金沢市で1人暮らししながら技術を磨いた。七尾市は能登半島地震で震度7強。実家も断水した。「自分の勝利で(被災者が)元気になってもらえれば」と決意を新たにした。【藤中栄二】