背景には仕事とのミスマッチや「ライフスキル」不足も…「発達障害の人が仕事をやめた理由」
発達障害の人への就労支援が年々、広がりをみせています。 発達障害の人の場合、知識や技術をいかして就職することはできても、人間関係などに悩んで職場になじめず、結果として、退職してしまうことがあります。そのような問題を防ぐために、職場定着までをみすえて支援するケースが増えています。 【前編】発達障害の人の「働きづらさ」とは? 就労支援にはさまざまな形式がありますが、基本的な内容や流れは共通しています。『発達障害の人の「就労支援」がわかる本』では、就職活動から職場への定着、生活面まで就労支援のしくみと活用の仕方をイラスト図解。就労支援を利用する当事者はもちろん、その当事者を受け入れる企業側にも好評なロングセラー書から、一部を連載形式でご紹介します。 今回は発達障害の人が持つ、働きづらさの背景について、解説します。 【前編】発達障害の人の「働きづらさ」とは? 特性や困難を理解して「就職」につなげる方法を徹底解説!
自分に合う仕事や職場がみつからない
発達障害の人は「仕事そのものができなかった」「仕事が合わなかった」「対人関係の問題が起きた」のような理由で仕事を続けられなくなるわけですが、「発達障害の人が仕事をやめた理由」一覧をよくみると「仕事そのものができない」という理由で離職する例は、それほど多くないことがわかります。 じつは、発達障害の人の働きづらさは、仕事そのものよりも、仕事の周辺のことから引き起こされている場合が多いのです。 仕事が合わず、ストレスや疲れがたまったという人や、仕事はできても人間関係になじめなかったという人が、よくいます。 働きづらさの背景を理解するためには、仕事とその周辺事情に広く目を向ける必要があります。
仕事とのミスマッチが背景に
仕事をするためにはハードスキル、ソフトスキルという2 つのスキルが必要です。ま た、最近ではソフトスキルのベースとなるライフスキルも重要だと考えられています。 発達障害の人が仕事をやめた理由をくわしくみてみると、ソフトスキル関連の問題が多いことがわかります。