「ネガティブ思考な人」が誤解している3つのこと 「いつでもポジティブな人」の方が実は危険
カタルシスとは、簡単にいうと「浄化作用」のことです。心の中に溜まっている鬱々とした感情を吐き出し、解放することで嫌な気持ちを取り除けます。 人に話しただけで、胸につかえていたモヤモヤがすっきりした経験はないでしょうか。それが、愚痴ることで得られるカタルシス効果そのものです。 「愚痴る」にはもう1つ良い点があります。 頭の中の「思考」は目には見えず、不確定なものですが、言葉にすることでその思考が具現化されるということです。「愚痴を言う」のは、目に見えない感情を形のあるものに変換する作業でもあるのです。
例えば「このとき私はこういう気持ちだった」「このときは嫌な気持ちだったけど今考えるとそうでもなかった」などと、冷静な自分の感情に気づけることが非常に大事です。 自分の感情がわからないという人こそ、「愚痴る」行為を通して心のリハビリを始めていきましょう。 ■話すのはSNSより浄化効果が高い ネガティブな人の中には、「話すのではなく、SNSで愚痴るのはダメですか?」と聞く方もいます。 私の考えとしては、「人に話す」と「SNSに書く」では、圧倒的に前者の方がおすすめです。理由は、文字数制限のあるSNSよりも言葉で話す方が、はるかに情報量が多いからです。
SNSでの発信も悪くはないのですが、投稿に対する反応で傷つくこともあるかもしれません。それを考えると、「愚痴る」場所をSNSに求めるのは避けるのが賢明な判断です。 また、そのときに起こった事実や感じた気持ちを細かく補足できるのも「話す」メリットの1つです。 微妙なニュアンスまで伝えることで、さらに感情の整理が行われ、自分が何に対してモヤモヤしていたのか、ネガティブな感情を抱いていたのかがはっきりしてくるのです。
まずは、ネガティブ感情を悪いものだと決めつけずに、否定しないことから始め、自己コントロールに役立てていただければ幸いです。
大野 萌子 :日本メンタルアップ支援機構 代表理事