「虎に翼」主役モデルが巣立った明治大女子部 創設者の横田秀雄、故郷長野で功績に光当てる
現在の最高裁長官に当たる大審院長を務めた松代藩出身の横田秀雄(1862~1938年)に関する講演会が7日、長野市松代のサンホールマツシロで開かれた。横田は現在放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主役のモデルとなった日本初の女性弁護士、三淵嘉子が巣立った明治大女子部を創設。ドラマで法律考証を担当した明治大教授で、同大学史資料センター所長の村上一博さんが横田の功績を語った。 【写真】横田秀雄
村上さんは横田を「庶民感覚を持ち続けた裁判官だった」と強調。大正時代、地方によって同じ動物を指すタヌキとムジナを別の動物と勘違いし、捕獲を禁じられていたタヌキを捕まえた被告に対し「故意ではなかった」として無罪を言い渡したエピソードを紹介した。女性の地位が低かった当時、民事裁判で夫婦関係について男性も貞操を守らねばならないとの判決を下し、「女性にとっては進歩的だった」と解説した。
講演を聞いた長野市の会社員男性(48)は「画期的な判決や女性登用に貢献したことが分かり、地元に素晴らしい人物がいたと知った」と話していた。 地元のNPO法人「夢空間松代のまちと心を育てる会」が主催。市内外の約130人が聞いた。