危険な本塁クロスプレー禁止の新ルールで得点がアップする?!
ヤクルトは4日、沖縄の浦添キャンプで、審判団を交え、キャッチャーのブロックと走者の体当たりなどの本塁上の危険なプレーを禁止した新ルールにのっとって、クロスプレーの実戦テストを行った。無死、もしくは一死三塁のケースから、内野ゴロで本塁に走者が突っ込む、いわゆる「ゴロゴー」を想定しての実戦練習。 危険な体当たりは走塁妨害となるため、間一髪のタイミングでは、ほとんどの走者は回りこんで手からスライディングすることになるが、逆に走塁線上に立ったり、ボールを持たない状態でブロックのできなくなったキャッチャーは追いタッチをすることになり、この日の実戦テストではクロスプレーのタイミングはことごとくセーフとなっていた。 一塁を守っていた畠山和洋(33)が「これじゃ微妙なタイミングは、全部セーフじゃん。その場合、ホームに投げずに打者走者を殺すべきじゃないか」と大声で問いかけるほど、新ルールで本塁のクロスプレーを再現してみると、走者が有利だった。 特に三塁のベース寄りの三塁ゴロの場合、ホームにストライク送球すると、キャッチャーが走塁妨害を取られるポジションで待つことになり、少し場所をずらして送球するため、なおさらタッチのタイミングが遅れた。 実際に新ルールを体験をしてみたキャッチャーの中村悠平(25)も「捕手の立場からすれば、衝突系の危険は減るが、攻撃側見るとアウトのタイミングで1点を取れることが増えるかも。また追いタッチをせず、空けたホームベース上で待ってタッチをすればいいのだが、走者によってはその上をかいくぐるような上手いスライディングをされる可能性もある。そして追いタッチになると、体がクルっと回ってしまうので、次への対応が遅れ打者走者にセカンドを盗まれてしまう危険性も増える」と言う。 つまりキャッチャーの立場から見ると危険は減るが、回り込んでくる走者へのタッチプレーで無駄な動きが増えるため、得点を許すケースが増加すると同時に、打者走者に二塁進路まで許す危険性も増えると予測するのだ。これも実戦テストをしてみたからこそ、わかった点だろう。